始まりの予兆

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夢の中では辺りは暗かった為、場所に見覚えは無かった物の、心の中ではやはり何かが引っ掛かる。 しかし次の映像を見た途端、全身を悪寒の様なものが走るのが分かった。 それは、被害者の報告と、その顔写真。 名前は全く分からなく、顔も殆どが知らなかった。 それでも、居た。数人だったが、確かに居た。 夢の中に居た人物が。 微かにしか覚えていない為確証は無いが、その数人に見覚えがあった。 身内でも、友人でも、顔見知りでも無い、赤の他人に。 自分の中で、心臓が暴れているのが分かる。 体が金縛りに遭った様に動かない。 恐怖や不安が全身を包んでいく。 夢で映った事、重なるようにして目の前に映る事が、未だに信じられなかった。
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