動き出す物語

2/4
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/31ページ
窓側から光が差し込んでいる。 結局、事件の詳細を見た後は寝ようとしても眠れず、殆ど徹夜の状態であった。 その中優気は、未だ頭の中を整理出来ていなかった。 不意に二人の存在を思い出す。 冴えない頭を必死に動かし、ケータイを手に取る。 二、三回のコール音がした後に声が聞こえてきた。 『もしもしー。如何した優気、朝から掛けてくるなんて珍しい』 明るい声で双谷が訊ねるが、優気はなかなか口を開けない。 『おい、何か遭ったの』 「い、今すぐ、真木と俺の家に来てくれ」 双谷の言葉を振り絞った声で遮り、一つだけ言い残すと通話を切った。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!