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「はぁ。」
俺はふと空を見上げる。
今日は雲ひとつない・・快晴だな。
こんな日はゆっくり自分の時間を満喫したいなぁ・・
そんなことを思いながら、またひとつ溜息をつく。
晴れ渡る天気とは裏腹に俺の気持ちは曇り・・いや雨模様だ。
「おい。樹(いつき)」
「・・・・っ!!」
ぽんと肩をたたかれ、はっと我にかえった。
名前を呼ばれた方向へと顔を向ける。
と、そこには驚くほど近くに女の顔があった。
「・・・っ!なに」
ふ、ふざけんなよこいつ。
ちょっと近くて・・動揺しちゃったじゃねーか。
「何溜息なんかついて。幸せ逃げるよ」
そういってにっこり笑う。
そいつは俺のことなんて全く気にするそぶりをみせない。
・・誰のせいだと思ってんだよ。
俺をこんなに憂鬱にさせてんのは・・こいつだっていうのに・・。
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