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12畳ぐらいの部屋は広すぎてお兄ちゃんはどんだけ高い家賃を払ってるんだろう?てか、そんなに稼いでるのかな。凄いなあ。
ベットだけが置かれた部屋。ベットはお兄ちゃんが新品を買ってくれていて、進級祝い、だそうだ。よくわからないけどベットは前の家から運べなくて困ってたから嬉しい。
「片付け頑張ろうー…」
これからお兄ちゃんと暮らす。仕事ばかりのお母さんだったから家事は大体できるようになった私はお兄ちゃんの家に住む変わりに家事をすることを決めた。
だけどお兄ちゃんと一緒に住むことがなんでこんなにも緊張するのか。それは私がお兄ちゃんを〝大好き〟だからだ。
10歳も離れていると小さい頃は話題も合わず、会話すら少なかったけどかっこよくて、いつだって大人な兄がいつしか私の理想の男性図として形ができた。
「衣苳」
「っ、はい」
「今日はどこかに食いに行くか。何が食いたい?連れてってやる」
その優しい声も微笑む顔も、仕種もなにもかもが、いちいち心臓に突き刺さる。
気付いた時には〝兄〟としてではなく、〝異性〟として認識してしまった。
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