未知との遭遇

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早く帰って、先輩に借りた本を読もうと校舎を出ようとした。 その時に担任に呼び止められて下駄箱で立ち止まる。 用件は、緊急職員会議があるから、部活顧問をしているサッカー部の先生に伝えて欲しいとの事。 まぁ帰るついでだし、グランドに少し寄るくらいなら………、と引き受け、グランドに向かい歩いていた。 (唯先輩が貸してくれた本、表紙だけ見たけれど、僕好みのイラストだったな♪) そう思った矢先。 「危ない!! 避けてー!!!!!」 その言葉に我に帰ったけれど、時すでに遅し! ドガッ!!!! 凄まじい音と衝撃が、僕の顔面に…………。 あまりの衝撃に後ろにひっくり返った僕。 「…………痛い…………。」 一瞬何が起こったか理解出来ない。 ただ、顔が痛い…………。 涙が出そうなほどに痛い。 「!!ごめん!! 大丈夫??」 そう言って、誰かが抱き起こしてくれたみたい。 「…………大丈夫……です。」 「本当にごめん、痛かったでしょ?? サッカーボールが、まさかあんな所まで飛んでいくなんて………、アイツ本当にコントロール悪すぎだな! ……… ってそんな愚痴はよくて………本当に大丈夫??」 すごく心配そうな声が聞こえる。 優しそうな声が。 でも………あれ?顔が………見えない。 (あっ………、眼鏡…、もしかして飛んでっちゃった??) 手探りで周りを探してみるけど、全くなさそう。 困ったな…………。 「…………大丈夫なんですけど、あの…………眼鏡……どこかに落ちてませんか?? 見えない…………。」 その言葉に、目の前の人物の気配が消える。 少しして戻ってきたけれど、聞こえた言葉は………。 「………本当にごめん。 すごい遠くまで飛ばされてた。 それから………眼鏡、割れちゃってて………。」 なんてこったい!! 「………そ、そうですか。仕方ないです………。」 そう言うしかない僕。 「…あの、眼鏡弁償するよ。」 責任を感じているらしい。 「………いや、いいです。気にしないで?」 「いや、そういう訳にはいかないよ。 弁償させてよ?」 必死に言う彼。 しかし確かに困った。 予備の眼鏡、無いし、新しく買うか…………。 帰りに眼鏡、新調しようかと思ったけれど、日が落ち始めていた。 眼鏡無しだし………。
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