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「俺は、2年D組の、柏木 大地(かしわぎ だいち)、君は??」
「……あ、僕は、2年A組の佐山 来夢 (さやま らいむ)です。」
「来夢君かぁ、いい名前だね。
さぁ、来夢君、目的地に着いたよ?」
柏木君のその言葉に、少し照れた瞬間に、店の自動ドアが開いた。
「ありがとうございました。
柏木君、予定とかあったんじゃないですか?
後は僕1人でも大丈夫だから、柏木は帰ってもいいですよ。
本当に助かりました。」
「助かったって……、悪いのはこっちなんだから、当然だよ?
それに、来夢君が、眼鏡選ぶまで一緒にいるよ。」
そして僕らは事情を説明し、改めて視力を測り、眼鏡を選び出した。
鏡の前で、試着していた僕の後ろに柏木君の姿。
眼鏡を試着する僕を見つめている。
いるけど………………!!
柏木君て、今まで眼鏡無しビジョンで見ていたからボヤケていて顔はっきりわからなかったけれど、イケメン!!
女の子にモテそう、いや、それは勿論。
それに、BLマンガの男の子を実写にしたらこんな感じなんだろうか??
えっと…………、なら相手の男の子は?
可愛い系??それとも相手もイケメン系??
そんな勝手な妄想に突っ走ってた僕は顔がニヤけていたらしい。
「その眼鏡が気に入ったの?
なんだか、嬉しそうな顔、ずっとしている。」
柏木君に言われてハッとする。
マズい………。
妄想している場合ではない。
妄想していた自分が恥ずかしい。
早く眼鏡、決めなきゃ。
そう思って選ぶけれど、迷ってなかなか決まらない。
そんな僕の顔を柏木君が覗き込む。
ちっ………近いんだけど?!
「あの……、何かついてる?」
おずおずと聞く僕。
ニッコリ笑う柏木君。
「ねぇ………眼鏡じゃなくて、コンタクトとかはダメ??
だってさ、来夢君、眼鏡より眼鏡無しの方が素敵だよ?」
その言葉に、僕の頬がボンと音立てそうな程、赤くなったのがわかった。
素敵…………素敵だなんて。
そんな言葉使う人、初めてキタァー!!
BLの王子様じゃないんだから。
だけど、結果的に、特に気に入った眼鏡もなく、あまりの爽やかさの詐欺にでもあったかのように、彼に言われたままコンタクトレンズを購入した僕だった。
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