この世に生を受けた日

2/5
前へ
/69ページ
次へ
俺がこの世に生を受けたのは7月 両親とも子供が大好きだったが、中々子供を授かることができなかったと聞いたことがあった。 結婚して五年目でようやく妊娠が発覚、俺が生まれた。 父も母も涙を流しながら やっと出会えたね そう微笑み、赤ちゃんの俺の手を握った 念願の子供を授かった両親の親バカぶりは子供の俺から見てもすごかった。 親子してお揃いの服を着たり、父の仕事が休みの日は必ずどこかへ遠出したり、何をするにしても必ず両親が一緒だった 今でも思う。 俺は両親から惜しみない愛情を注がれて育ったのだと。 専業主婦の母にサラリーマンの父。裕福でも貧乏でもない至って普通の家庭。 親バカだと自他ともに認める。 両親は元々近所からも評判の良い夫婦。夫婦揃って歳のわりに見た目が若いからちゃんと育てられるのか心配で何度も様子見に来た近所の方々。 同い年の子供たちもよく遊びにきた そんな普通の毎日。
/69ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加