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キュピーン!!
ドラゴン子はふと閃いた。
(よし、東大に行こう!!)
そう心に決意しつつも、手にはPS2のコントローラーを握ってカチャカチャと操作している。もちろんやっているのは「機動戦士ガンダム」だ。ザクⅡの可能性を信じガンダムと対決し、見事に跡形もなく破壊された直後のことだった。
思い返せば受験生になるまで勉強に関していい思い出はなかった。ものすごく勉強が出来てクラスの「できるやつ」の地位を築いていたのは最早小学生のときだけである。
小学6年生のとき、新しい東京都立の中高一貫校ができたというので親の言うがままに私は受験した。受験勉強という勉強はしなかった。毎日ゲームしてたくらいだ。
その時のテストは適性検査といって、作文を書いたりするだけだった。元々作文が得意だった私は見事採点者の心を鷲掴みにしたのだろう。
そう、受かってしまったのである。
恐怖の進学校──『東京都立桜修館中等教育学校』に。
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