壱ノ唄

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 意識を完全に手放す瞬間、その人の唇が何かを囁いた。  何て、言ったの…?  名前を呼ばれた気がしたけれど、それは僕の名ではなかった。  誰を呼んだのだろう。その瞳は真っ直ぐに僕を見ているのに。その唇が紡いだ名前は、いったい誰のものだったのだろう。  意識を手放した僕に、それを確認する術は無かったけれど―――… .
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