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そして当日‥
電車で飛燕学院に団体で向かう。
緊張は無かった。
颯は巧真と、
去年同じクラスだった図書委員長の谷諒介と話をしている。
谷諒介と今まで話をした記憶はあまりない。が、今日はある話題で盛り上がった。
「夏生って、確か松波と同じ塾だろ??津村が言ってた」
津村、とは谷諒介と中1の頃に仲が良かった颯の塾の友達だ。
「ナツミってやめれ。女みたいだ。
えっと‥松波??ああ、谷はアイツと小学校同じだっけ」
「ん~まーあ幼なじみだ」
(谷の話し方は独特なので、文字には起こしにくい。伸ばし棒他句読点に気をつけるべし。by秋那)
「松波、ね‥」
颯は塾が一緒だった彼女――松波陸を思い出す。
飛燕学院が第一志望ではない。あそこは果西学園より少し下のレベルだが、松波陸は果西学園より上の女子校を志望していた。
(アイツ、落ちると思ったんだよな‥)
こう言っては失礼だと思う。だがなんとなく颯は感じる。
それは、本人が感じていたような気がする‥。
「松波はいるのかね、今日の会合」
「さあ、ブラバンで何かやってるかもな」
松波陸は、飛燕学院のブラバン、Perパートだったはずだ。
「確かに。まーあ、アイツしっかりしてるし??」
「あ、その人ブラバンなの!?」
「確か。巧真、向こうのブラバンの学年長とか知らないの??」
「学年長だけなら名前は聞いた。確か山下香澄だったかな??」
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