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生まれつき
音
音がうるさい
都会なんて嫌いだ
人や車の音はうるさいし、液晶から随時流れる流行りの音楽
あぁ、うるさい、うるさい、うるさい
音は嫌でも、毎日俺の耳に流れ込んでくる
視界は瞼で眼球を隠してしまえるが
音はそうはいかない
寝ても覚めても常に入り込んでくる
あぁ、ここ(都会)からでたい
そんな俺にも好きな音はある
例えば小鳥のさえずりとか、魚が跳ねたときの水音。
まぁ、自然が生み出す音は好きなわけ、だ。
でも
ビルの渓谷佇む、眠らない街にはそんな場所(とこ)はない
一つ言っておこう、俺は人の音も聞こえる。
つまり『声』だ
と、まぁ声なんて誰でも聞こえるわけ、で
俺が言いたいのは周りの人間の声を全て拾ってしまうって事
あ、今驚いた?驚いたでしょ?
…まぁ何だ俺はこんな能力いらないわけよ
「はあぁ~」
『昨日のテレビみた~?』『ウチの親がさぁ』
『おーい』『今日どこ行こっか』
『ねぇ、聞いたぁ?』『アイツまじうざくてさぁ』『お昼どうする?』『アハハハ』『あの人格好良いよねー』
でさーわたしが、え?それフラれたぁもう知らな、嫌い嫌い嫌い
実はさ、あぁ、もう!あいつマジ無理
あの腐れ上司が学校さぼろっおはよー髪はねてるぅ喉渇いたー
ママー、どこぉこの服めっちゃカワイイ
うるさい
うるさい
うるさい
頼むから黙っててくれよ
「はぁ、うるせぇなぁ。」
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