改革の時来たれり~!

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ユリト「参ったな…」 ソティーの父親の墓参りを済ませ、国境付近に差し掛かった時に盗賊に囲まれて立ち往生してしまった。 「へっへ。 どこの貴族か知らねーが女と金目のもんを置いてきな。」 ふぅ… 国内の治安も守れないのか… レイヤン「俺が相手する。 最近なまってしょうがないからな。」 ユリト「ん。 軽い運動がてらいってらっしゃい。」 10人程いるけど誰も軍馬車ということに気付かなかったのか? 気付かないならただのアホ。 気付いてたら無謀なアホ。 どっちもアホか。 ゴッ! レイヤン「行こう。」 ユリト「お疲れさ~ん。」 そうしてまた馬車を進める。 はぁ… ウェルは黙ったままだし、ソティーは寝ちゃってるし… 居づらいなぁ~。 天板に上がって空でも眺めてようかな。 俺は窓から天板にヒョイと登る。 「隊長危ないです。」 ユリト「だって開けるのめんどいんだもん。」 一応中からも上がれるがフックを外したりと何かとめんどい。 今は戦闘じゃないから開けていない。 ユリト「くぁ~! いい天気だぁ~!」 ひとつ背伸びをした後、ゴロンと天板の上に寝転がる。 雲がふわふわと流れ、時折鳥類や竜が飛んでいる。 あまりの気持ち良さにうとうとしていた。 「ユリト…」 ユリト「ウェルか。 どうした?」 ウェルも天板に上がって来たらしく、俺の隣に座る。 ウェル「私戻って一週間後に結婚するかも。」 ユリト「そうか…」 恐らくウェルの両親が決めた相手だろ。 国直部に居ることが気に食わないのかなぁ~。 ウェル「私… 結婚したくない…」 ユリト「ウェル?」 俺は体を起こしてウェルを見る。 手は震え目に沢山の涙を溜めていた。 ウェル「両親に今まで従ってきた… けど… これだけは私の自由にしたい…」 なんで俺にこういう家族関係の相談するかなぁ~。 俺って親友夫婦に引き取られたのは、4歳の時だぞ? 幼くてもあの瞬間は、脳裏に焼き付いて離れない。 要は両親が、本当の両親じゃない事は自覚してた。 話ずれた。 ともかく本当の家族を亡くしていた俺に、家族関係の相談をするのは野暮だ。 ユリト「ウェルの自由にしな。」 肩を抱き震えるウェルを抱き寄せる。 ウェル「ありがとう…」 最近になって気付いたがキザな事を良くする。 慣れたのかねぇ? 後で恥ずかしさに悶えているのは秘密だよ?
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