改革の時来たれり~!

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ユリト…side 「お母さん。 私あいす食べたい!」 「あっ!僕も食べたい。」 「そうねぇ~。 お父さんどうします?」 「そうだな。 たまには」 (プツッ) ユリト「…ふぅ。 久々に見たな。」 頭に強い衝撃が与えられたからだろうか… 服が汗で身体に張り付き気持ち悪い… まだ完全に周りを良く見る事の出来ない目は、真っ白な色だけを移した。 ここは医務室か? 「起きましたか?」 ぼやけた視界の端に見える動く人影。 ユリト「大丈夫。」 そう言いゆっくり体を起こす。 くぅ… 流石に脳は弱いな。 くらくらする… 「まだ寝てないといけません。」 そう言い俺の体をベッドに寝かせようと肩を押す。 俺の体は力無く後ろに倒れる… 「キャ!」 そんなに強く押すからだ。 近くで見るとジョル先生だった。 ユリト「先生… 重い…」 ジョル「すみません…」 流石に弱った体では、いくら先生が軽くても重い。 ソティー達は気付いていないが、どうも最近体の強度が落ちてきている。 原因が全く分からない。 ただ左腕の黒い線は形を成し、入れ墨のようになっている。 詳しく調べても原因が分からない。 最近分からない事だらけだ。 ジョル「リャーベル国の指導者が直接終戦を申し出ました。」 ユリト「…」 おそらく国防能力が著しく下がったいま、敗戦は確実だ。 しかしまた指導者が直接とは… 人間の世界観が変わってきたな。 更にこの現象が波及すれば、戦争は更に面倒くさくなるが現代の国際社会に近づく。 ジョル「それで指導者が赤狩神に直接会って話しがしたいと。」 ユリト「直接~?」 何でまた? 赤狩神という名は既に広がっているらしいな。 血を狩る神か… ジョル「その様子だと会えそうも無いですね。」 ユリト「んや。 しばらく休めば大丈夫でしょ。」 脳が揺れただけだしね。 また寝ようかな… ジョル「ユリト君… 悩みとかみんなに話さないといけないからね? 辛い事だって話せば少しは楽になるから…」 うなされてたかな? ユリト「は~い。」 そうしてまた意識を闇の深くに沈める。 暗闇にぽっかり浮かぶ一人の少女。 「こんにちは。 久しぶりだね。」 あんただれだよ… 「その内会えるよ。 ゆー君。」 あれ? 懐かしい声だな…
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