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ウェル…side
ウェル「何も叩かなくても…」
ユリトははりせん?という品物で眠りを貪っていた私達を強制的に起こした。
ユリト「起きん方が悪い。
今日は練習はしないから、ゆっくり体休めろ。」
私達の為にログスの方で馬車を出してくれたらしい。
ソティー「うん…」
既にソティーは半分夢の中でうつらうつらしている。
そんな光景をルミクは微笑んで見ている。
ユリト「はぁ。
寝ろ。」
そう言いユリトは自分の膝を叩く。
ソティー「ありがとう…」
ソティーはユリトの足を枕替わりにしてまた寝る。
ログス「まるで親子だな。」
ユリト「もう寝てるからいいが、殺されるぞ?」
ソティーは容姿が幼いことをかなり気にしている。
ログス「そうだな。」
羨ましい…
私も寝たいなぁ。
!
ウェル「…」
ユリト「…」
ユリトと目で合図をしあう。
ウェル「どうする?」
ユリト「大丈夫。」
ルミク「?」
ユリトは魔武器を周囲に展開したようだ。
ユリトの魔武器は展開する際に微量の金の粒子が見える。
ログス「どうした?」
「ぎっ!」「ぐっ!」
街の喧騒の中僅かに混じる苦声。
実際にはもっといるが、私の耳が捉えたのは最も近くにいた2人だけだ。
ユリト「何でもないさ。」
ルミク「魔武器を展開して置いて何でも無いことは無いと思いますが。」
2人には声は聞こえなかったらしいな。
2人は魔力を感知出来るから、ユリトが魔武器を展開したのが分かったんだろう。
ユリト「近くに刺客がいたもんでね。
処理した。」
処理…
ゴミじゃないんだから。
ログス「やっぱり敵は多いか?」
ユリト「多いね。
まぁ仕方ないよ。」
そう言いユリトはスヤスヤと寝るソティーの頭を撫でる。
寝ていても撫でられて心地よさそうな顔をするソティー。
…
ユリト「しょうがないやつらめ。
着いたらちゃんと起きろよ。」
ウェル「あぁ。」
ユリトの肩に頭を預け私も眠りに落ちる。
ログス「ルミクはどうする?」
ルミク「ちょ!何言って―」
ユリト「べ…か…―ぞ」
ログス「よ…―たじゃ……」
ルミク「……には…―…―…う……」
何か騒がしく喋っているが眠気が圧倒的に強く、騒がしさはすぐに聞こえなくなった。
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