休暇?んなもんある訳無いだろ!

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ウェル…side ソティー「本当にすみませんでした~💦」 レイヤン「俺も好んで男を演じているんだ。 気にする事はない。」 姿形は女性なんだが、声や仕草は完全に男性だ。 恐らく長い間、演じ続けた為に体が覚えてしまったんだろう。 ジュー ウェル「ソティー! 鍋から目を離すな!」 ソティー「うわわわ! はい!」 ふう… 危なく焦げる所だったな。 ウェル「ところでどうしたんですか?」 レイヤン「ああ。 ユリトに会いに来たんだが… 部屋か?」 ウェル「はい。」 レイヤン「そうか。 ありがとう。」 カチャ ソティー「あっ! レイヤンさん!」 レイヤンさんは食堂の扉を開け、外に出ようとした所をソティーに呼び止められた。 レイヤン「ん? どうした?」 ソティー「お願いあるんですけど… いいですか?」 お願い? ソティーがユリト以外の人にお願いするのは、初めてじゃないか? レイヤン「答えられる範囲ならな。」 ソティー「それじゃあ… 耳触って見てもいいですか?」 キラキラと目を輝かせながら、無邪気にお願いするソティー… レイヤン「えっ? み、耳?」 あれ? 耳がパタンと横に落ち目を下に泳がせ始めた。 ソティー「だめですか?」 レイヤン「ええっと… 少し… だけならな…」 ソティー「ありがとうございます!」 確かに今は獣人なんて見ないからな。 貴重な体験と言えばそうなるか。 私もちょっと触ってみたかったりする。 ソティー「おぉー。 犬の耳だ。」 まるで子供だな。 ソティーは両手でレイヤンさんの耳を掴んでいる。 レイヤン「んっ…」 ? ソティー「ウェル! 耳だよ!耳! 本当の犬の耳と一緒だよ!」 ソティーはこちらを見ながら獣人の耳を触った感想を述べている。 ウェル「えっ? あぁ、そうだな…」 レイヤン「んぁ… ソティー? もう…いいか?」 ソティー「あっ。 はい。 えっ?」 レイヤンさんの顔は赤くなり、目が虚ろになっていた。 ミアさんはその様子を見て、口元を押さえ笑っている。 もしかして… ミア「ソティー。 ふふっ。 獣人にとって耳はどんな所か知ってるか?」 ソティー「笑ってる理由が分からない…」 私の予想が正しければ… ミア「ふふっ。 獣人にとって一番敏感な所だ。」 やっぱり… ソティー「えっ? つまり…」 レイヤン「それじゃあな!」 バタン! あぁ~。 レイヤンさんは恥ずかし隠しに早々に部屋から出て行ってしまった。
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