休暇?んなもんある訳無いだろ!

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ユリト…side ソティー達に夕飯作りを任せ、俺は自室のベッドに倒れている。 何だか最近ソティー達が家族に見えてしょうがない。 少し過激な関係だが… 少しどころじゃないか。 でも… 正直怖い。 その内また家族を失うのだろうか。 あっ。 ちなみにもう向こうに帰るのは諦めた… というよりこっちの世界が楽しすぎたんだ。 向こうで受けた傷を忘れさせる程に… 俺は疫病神だからな。 本当の家族は俺が五歳の時に全員失った。 父も母も妹も母の中にいた新たな弟も失った。 何故俺だけが残ったのか分からない。 そして高校1年に上がった時に、育て親が強盗に殺された。 その日はたまたま学校帰り、コンビニで友人に会い暫く話していた。 帰り道で警察から電話を受け、走って帰ったのを覚えている。 俺の周りの人間は次々と死んでいく… 分かってはいたが、自然とソティー達と親しくなっている自分がいた。 家族を、親しい人間を失う恐怖と、奪った人間に対する憎悪が今になって湧き上がった。 怖い… 憎い! また一人きりになるのだろうか… また俺から奪うのか! イヤだ… 殺してやる! もう失うのは… もう奪うな! 《ユルサナイ!》 ユリト「っ!」 ミシミチブチッ! 急な左腕の激痛と、左耳に聞こえた不愉快な肉が裂ける音。 ユリト「なんっ!」
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