休暇?んなもんある訳無いだろ!

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ソティー…side うーん… レイヤンさんにはちょっとひどい事してしまいました。 知らなかったし、初めて見たから珍しくってつい… でも涙目だったのは驚きです。 ミア「ついでにユリトを呼んで来て貰うんだったな。」 ソティー「そうだね。」 そうこうしてる内に夕食の準備が終わってしまいました。 ウェル「呼んでくる。」 ソティー「お願~い。」 その間私たちは食器を並べます。 バァーン! ウェル「いっ!」 ? ウェル「っ――…」 レイヤン「すまん!」 突然勢い良く開かれた扉に反応する事なく吹き飛ばされたウェル。 レイヤンさんはひどく焦っているみたいです。 レイヤン「ユリトが! 早く来い!」 ユリトが? どうしたの? 私たちは急いでユリトの部屋に向かいます。 何かあったのだろうか? 考えられるのは、貴族制派の暗殺者。 確かに調子が悪く、だいぶ考える事が多くなっていましたが、それでも遅れを取る事は無い筈。 部屋に入ると鉄の匂いが充満していた。 ソティー「ゆりと?」 自然と涙が溢れ頬を伝わっていきます。 ミア「そんな…」 ウェル「くぅ!」 ウェルは戦槌を展開し構えます。 なんで? なにがあったの? 答えてよ… ゆりとぉ… 《ウゥ…ウゥゥォォ…》 そこにいたのは全身に血が滴る黒い鱗を纏った、人ならざる姿になってしまったユリト。 何故ユリトと分かったかと言うと、首にかかった小さなびーずと言う石の首輪。 ユリト「昔大切な人が作ってくれたんだ…」 ユリトは少し恥ずかしそうに言っていたのを覚えている。 ミア「なんで…!?」 ウェル「構えろ! 死にたいのか!」 レイヤン「っ!」 ミア「くそ!」 レイヤンさんは剣を抜き、ミアは腕を元の竜の腕にします。 ソティー「待って! これはユリトなの!」 私は皆を止めるべく前に出て両手を広げる。 ウェル「知ってる! 知ってるよ…」 泣いていた。 みんな泣いていた。 《グゥゥ… ガァァ!》 ミア「ソティー!」 ソティー「えっ?」 ガチャーン! 《ガァッ!》 私に襲いかかったユリトは、何かに阻まれ動けていません。 ミア「…明かりを付けるぞ。」 天魔術によって生み出された小さな太陽球は当たりを明るく照らす。 ウェル「これは…」 ユリトの体は無数の鎖によって縛られ、その鎖は部屋のあちこちに魔術により繋がれていた。 床にはユリトの魔力抑制の耳飾りが落ちていました。 《キサマ… ミアテイアカ…》 えっ? ミア「やはりお前だったか…」
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