休暇?んなもんある訳無いだろ!

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ミア…side ミア「グローク!」 何故奴がユリトの体を支配しているか分からない。 ただ奴は世界にとってあまりにも危険な存在だ。 《ナゼニンゲントイッショニイルンダ!》 ソティー「うっ!」 ウェル「くぅ!」 レイヤン「っ!」 ビリビリビリ… 大気が痺れ空気の重みが増す。 ミア「人間に生まれ変わった。 何故お前がユリトの体にいる!」 《ニンゲンニ… ウマレカワッタ? ジャアオマエモコロス。 ムカシノヨシミダカラトイッテノコサナイ。》 八千年たった今でも恨みは消えないか… ブチブチッ… ミア「私が聞いているのは何故その体に居るかだ。」 私は本来の姿に戻りありったけの威圧をかける。 《… ナゼカッテ? オレダカラダ。》 何を言ってるんだコイツ? ソティー「はっ、早くユリトから出て行きなさい!」 ソティーは勇気を奮い起こし、魔武器を構える。 声と足は震え今にも気絶してしまいそうだ。 ウェルとレイヤンも武器を構える。 《フッ… クハハハハハハ!》 グロークは鎖を揺らし笑う。 しまった! 《サッサトコロセバヨカッタモノヲ!》 バキーン! ユリトの全身全霊をかけ、作り上げたであろう拘束魔術は砕けた。 昔の話さないグロークが話している時点で気付くべきだった。 時間稼ぎをしていたのだ。 ソティー「鎖が! なんで!」 健全な時のユリトだったら壊されなかっただろう。 だがグロークに肉体を支配される中、必死に張り巡らせた鎖は脆かった。 私たちがグロークとユリトを殺す時間稼ぎとして… 《ミアテイア。 イマノオレニカテルジシンハアルカ?》 奴は今、ユリトの体を支配している。 ミア「くっ!」 私たちの後ろに立つグローク。 《シネ!ニンゲンドモガ!》 生前奴はデルペティと対等な力を有していた。 私は勝てないと知っていた。 それは諦めではないのだ。 長年生きてきた直感なのだ。 だが勝たなくては… バチィ! 《グゥ!》 デル「間に合ったか…」 ミア「デルペティ!」 デル「主に問う。 勝てるか? 今でもユリト殿が魔力を止めておるのだろ?」 魔力を止めている? なっ! ユリトの体に魔力が通っていない! 肉体を維持する為の魔力さえ! 《… クハハハハハハ! ココハヒコウ。 カナラズネガイハカナエテミセルゾ!》 どさっ。 ズズズッ… ユリトは倒れて元の姿に戻る。 ミア「ユリト!」 何故だ! なんで魂が無い! くそっ! ミア「グローーーク!」
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