休暇?んなもんある訳無いだろ!

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ウェル…side 何が起きたか分からない… あまりにも次元が違いすぎる。 デル「大丈夫かい? お嬢さん方。」 ソティー「はあ… はあ… ゆりと…」 ソティーは足に力が入らないのか、引きずってミアに抱かれたユリトの元に寄っていく。 レイヤン「あんたは誰だ…」 デル「わしはデルペティ。 竜の生まれを見守るしなびた竜じゃ。」 しなびた? 体は骨と皮にしか見えないが、内側には燃えたぎる魔力の豪流が通っている。 ウェル「どういう事だ… ユリトに起きた事を説明して貰いたい。」 何故ユリトがあんな姿になったのか。 何故ユリトの中にグロークという奴がいたのか。 この老竜なら知っているかもしれない。 デル「その前に… ミアテイア様。 ユリト殿の器を保護した方がよろしいのでは?」 ミア「ああ…」 ミアさんはユリトを抱き上げ、寝台に寝かせると結界を張った。 ソティー「みあ? ゆりとはどうしたの? ねえ…みあぁ。」 ソティーはただただ泣きミアさんに縋っていた。 デル「わしが説明しよう。 今ユリト殿の体の中に魂は無い。 グロークが持って行ったか。 あるいは消滅したか。」 ミア「デルペティ!」 消滅? ユリトの魂が? そんな… ソティー「いやぁぁーーー!」 何故? グロークと言ったな… アイツだ… アイツが全てを奪ったんだ! 殺してやる! デル「それはならん。」 なに!読心術か! ウェル「なんで! アイツは! 私の大切な人を奪ったんだ!」 大切な人を奪った相手なら殺してもいいだろ! デル「奴は八千年前に人々に魔竜と呼ばれた。」 魔竜… 文献に残る殺戮を快楽とした竜。 デル「実際は『家族』を人間に殺された復讐なんじゃ。 そして英雄の人間もグロークに『家族』を殺された復讐。 復讐を復讐で拭っても何も変わりゃせん。」 じゃあどーすりゃいいんだ! 復讐以外でどうやってこの感情を抑えろと言うんだ! デル「分からん内は何も出来ん。」 ―っ! ウェル「くっそ~~~~!!」
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