休暇?んなもんある訳無いだろ!

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レイヤン…side ミア「奴は天魔術と相反する魔術を使う。 冥魔術… 生きるものには決して使う事が出来ない。 そして冥魔術は即死系が多い。 だから皆の武具に私の加護魔術を施す。」 そうしてミアは隊員たちの武具に天加護を施していく。 隊員たちの目にはギラギラと炎が灯っていた。 もちろん俺たちも例外ではない。 しかしこれは復讐の炎ではない。 人々を大切な人を守らんとする確固たる決意の炎なのだ。 隊長として、友として、兄弟として接してきたユリトの為に… 陛下は周辺国に魔竜復活の伝令を送り、国内の戦力をここ王都に集結させた。 憎しみに駆られれば、グロークと英雄の過去を繰り返すだけだ。 老竜デルペティの警告だ。 ソティー「お疲れ様。」 ミア「ふぅ… 流石にこの人数は辛いな。」 全員の武装に天魔術の加護を施したミアは立つのがやっとだ。 デル「ミアテイア様。 奴も本来の体に馴染むのも時間が掛かるでしょう。 動かない内にお休み下され。」 俺達も今日やっと休暇が始まったばかりだ。 だから完全に疲れはとれていない。 ミア「あぁ。」 ミアはソティーに肩を貸して貰いながら、自室へと向かった。 レイヤン「各々部屋に戻り来るべき時に備え体を休めよ。 解散!」 隊員達も部屋に戻し、自分も自室に戻る。 恐らく今回の戦いは死人が多く出るだろうが、俺達は戦わなくてはならない。 ここには守るべき人々がいるのだから… アリン「お姉ちゃん…」 レイヤン「ん? どうした?」 アリン「なんでも無い。」 アリンを抱き寄せ頭をなでる。 レイヤン「大丈夫だ。 必ず守ってやるからな。」 アリンはひしと俺にしがみついてくる。 いつまでたってもアリンは子供のままだな。 アリン「私の事ばっかりじゃ無くて、自分の事も考えてね?」 アリン? はは。 いつまでも子供と思ってたのは俺だけだったか。 レイヤン「ありがとう。」 いつ来るかも分からない敵に備え、遅い夕食をとり俺は早めに寝た。 自分の幸せか… そろそろ戻る時かも知れないな。 全てを預けられる相手に逢えたのだから… いいだろ? 父さん… 母さん…
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