休暇?んなもんある訳無いだろ!

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ミア…side 外壁には弓兵を配置し、市民達には外に出ないように勧告をした。 私達は外壁の上で南の空を睨む。 グロークは空間魔術の使い手だ。 必ず転移で大群を召還するだろう。 ミア「来たか。」 「どこですか?」 見張りの兵士は必死に目を凝らし、姿を確認しようとする。 実際は人間には見えない遠い距離だ。 ウェル「あの黒い奴か?」 ソティー「えっ? ウェル見えるの?」 恐ろしい程の視覚だな。 今回はみんな魔力抑制具や重力付加具は付けていない。 本気で潰しに行く! ソティー「あっ、見えて来た。」 「居たぞ!警鐘をならせー!」 カーン! カーン! カーン! カーン! ミア「ソティー。 行けるか?」 ソティー「うん!」 よし。 ミア「ふぅー… はぁーーー!」 まず王都全体に結界を張り、奴の魔術が通らないようにする。 バチーン! 結界が張られたと同時にぶつかる黒紫の魔力の塊。 グロークの即死魔術だ。 ソティー「パルセストウィドゥ!」 ソティーは風系の最上級魔術を放つ。 ソティーの魔力は巨大な大気の矢の形をなしグロークを襲う。 すぐにグロークの体は黒紫の球体に包まれ、ソティーの放った大気の矢を飲み込んだ。 ソティー「流石は魔竜ですね。」 そして地面に黒紫の閃光が放たれたと思うと、転移魔術陣が形成される。 ミア「来るぞ。」 「弓兵構えー!」 そして魔術陣からおびただしい数の奇形の魔物が溢れ出す。 「なんだありぁ!」 「見てるだけで、イライラしてくるな…」 まずい… 憎悪の塊には人の気持ちを苛立たせる力がある。 意志を冷静に保たせないとろくな戦いは出来ない。 ウェル「私達は人を守るために戦うんだ! 感情を持って行かれるな!」 「「はっ!」」 よくやったウェル! 軍隊がそろそろ弓兵圏内に入るな… 「撃てー!」 無数の矢が奇形の魔物を貫き、貫かれた魔物は塵となる。 さて、空中戦と行くか。 ミシミシ 「うわぁ!」 ソティー「ミア!私も!」 私はコクリと頷き、ソティーを背に乗せる。 ミア「ウェル!レイヤン! 地上の指揮は任せたぞ!」 ウェル「ユリトを頼む!」 レイヤン「分かった!」 そして外壁から飛び立ち、グロークの元へ飛んでいく。 デル「この老竜もお手伝いさせていただきます!」 シニル「ユリト様を必ず取り戻しましょう!」 ソティー「デルペティさん!シニル!」 ミア「ありがとう!」 どこからともなくデルペティとシニルが応援に駆けつけてくれた。 ユリト… 必ず戻してやるぞ…
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