休暇?んなもんある訳無いだろ!

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ソティー…side 飛んでくる黒紫球をかわしながら、魔竜の元へ飛んでいきます。 私も風魔術や雷魔術で応戦します。 魔竜に有効な天魔術はまだ結界系しか教えてもらってなかったので、防御にのみ使います。 《3対1とは卑怯だな。》 ミア「今のお前には丁度だろ?」 デル「そろそろお主のお守りも疲れたのでな。」 シニル「ユリト様を返して貰います。」 余りにも邪悪な姿をしているグローク… 滴る血にはきっと彼の悲しみが混ざっているのでしょう。 《くははははは! 返して貰うか! それは叶わん願いだ!》 くう! 黒紫の波動を放つグローク。 ミア「残念だったな。 ここにいる全員は、天魔力を持っている。」 《面倒な… 斬り刻んでくれる!》 グロークは長い尾に、二対の翼を持ち、足が二本しかありません。 しかしその足には禍々しい鋭い爪があります。 グロークは長い爪をミアに向け突っ込んできます。 ミア、シニル、デルペティさんは3方向に分かれます。 《テメェーが一番の時代は終わった! 落ちろ!》 デル「老いが憎いな…」 ミア「デルペティ!」 グロークは一番反応が遅かったデルペティさんに、その凶悪な爪を向けました。 ソティー「させない! パルセストヴォルト!」 私は巨大な雷球を作り上げ、グロークの進む方向に投げつけます。 《くっ!》 四枚の翼を動かし急速に止まる。 しかし私は雷球に追尾効果を付加したので、雷球は曲線を描きグロークに向かいます。 バァーン! 《グオォ!》 やはり人間の魔術では竜にはかなわないようです。 グロークは少しよろけただけでした。 デル「お嬢さんありがとう。 命拾いしたよ。」 ソティー「どういたしまして。」 《クァー!》 なっ! 黒紫球が無数に放たれ三体の竜を追尾します。 シニル「―っ!」 デル「むっ!」 ミア「くそっ!」 各々黒紫球を落としていき、体制を整えます。 あれ? この感覚… ソティー「トルツスィカアー!」 天魔術で私が唯一使える結界系魔術。 バァーン! ミア「ありがとうソティー。」 背後からグロークが爪を突き立てて襲ってきたのです。 《くっ! おのれ!》
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