休暇?んなもんある訳無いだろ!

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ウェル…side レイヤン「く… はぁ。 はぁ。 流石に疲れたな。」 ウェル「でも… はぁ。 はぁ。 確実に弱くなってます!」 ソティー達がやってくれたらしい。 だいぶ押し返している。 一時は側面の防御が破られ、押されて居るのが見えた。 しかし今は門前まで押し返している。 上空では時折炸裂音が鳴り響いていた。 しかし今は竜の嘶きだけだ。 《クアァァ!》 「ヒャァァ!」 恐らく三体とも満身創痍で帰って来るだろう。 レイヤン「もう少しだ! 踏ん張れ!」 「「「はっ!」」」 流石は元々隊長をしていただけあって、隊員や兵士達を励ます事は忘れない。 私は疲れて励ます事も出来ない。 ドオーン! なんだ? 巨大な音と地鳴りが私達を襲う。 それと同時に魔物達が塵になっていく。 「やったのか?」 「勝った?」 終わったのか? 「うおー! やったぞー!」 私とレイヤンさんは後ろから聞こえる歓喜の声を背に、階段を駆け上がり外壁の上から遠くを見る。 何かが落ちた所は砂煙が立ち登り、よく見えない。 レイヤン「まさか…」 ウェル「行こう!」 階段を下り、門をくぐり抜け、未だに砂煙が立ち上っている場所へ向かう。 確かに見えた黒い竜ともう一つの影。 それは淡い青の竜だった。 確かミアさんの背にはソティーが乗っていた筈。 何があったか分からないが、空の覇者と言われたラーデルドラゴンが墜落する訳がない。 いくら人間に生まれ変わったとはいえ、時折竜化していたのを覚えている。 純白の竜と灰色の竜が降りて行くのが分かる。 レイヤン「はぁ。 はぁ。 シニルとデルペティだな。」 魔竜も落ちていたと言う事は、ミアさんが道連れにした可能性が高い。 そんな事したらソティーやユリトが、悲しむのは目に見えているだろ! なんで! 墜落した所に着くと未だに息がある魔竜をミアさんが睨みつけていた。 勿論2体とも大量の血を流している。
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