休暇?んなもんある訳無いだろ!

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《自分を捨てた俺の魂は… 存在するためにもう一つの人格を作り上げた… それがユリトだ… 新たな人格となったとき変わった。 家族と愛し合うユリトが… 憎かった… 羨ましかった…》 グロークの瞳からは血の涙ではなく、透明な涙が流れていた。 《だからユリトにも同じ苦しみを与えようとしてユリトの家族を殺した… なのにまた家族ができた… 二度もユリトの大切な人を奪ったのに、ユリトは人を憎む事はしなかった。 何故だ… 何故なんだ… アイツばかりが愛され、俺は愛する事も愛される事も無かった…》 あまりにも優し過ぎた為に、大切な人を失って真実を見通せなくなっていたんだ。 ソティー「それはね。 あなたが優しかったからなの。 だからこそ自分を守る為に人を憎んだの。」 「俺は間違っていたのか?」 うっすらと目を開けるグローク。 ぼろぼろと涙がこぼれ落ち、こぼれ落ちた涙は地面に染み込んでいく。 ソティー「間違いに気付けた?」 グローク「ああ… 間違い… 気付けたけど… 正せそうもない。」 ソティー「最後に教えて? ユリトの魂は今どうなっているの?」 私はグロークの頭を優しく撫でつけます。 グローク「眠らせた。 今の状態で起こすのは無理だ… すまない… 大切な人を失う辛さは… 俺が一番知っている筈何… だけど… な…」 うっすらと開いていた目は完全に閉じ呼吸が止まった… ユリト… これで良かったんだよね… ソティー「うぅ…」 泣いてたら死んだユリトに失礼ですよね。 笑わなきゃ… ミア「っ!」 ウェル「そん…な。」 レイヤン「くっ!」 シニル「ユリト様…」 私が泣き出してしまったからみんなに伝染してしまいました。 笑わなきゃ! ソティー「ユリト… 私頑張る。 ユリトが成し遂げられなかった平和。 私が受け継ぐよ。」 そう言い私は笑いながら空を見上げます。 今は亡きユリトに見えるように… 「勝手に殺すな。」 あれ? 「「「「「ユリト!」」」」」
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