休暇?んなもんある訳無いだろ!

33/34
前へ
/543ページ
次へ
とりあえずみんなにどいて貰って、ミアは治療して服を着て貰った。 ソティー「でもどうするの?」 どうするのって? ユリト「とりあえず…」 術式を組み上げ、グロークに魔力を注ぐ。 グロークは死んだが、とっくの昔に世界自体から拒絶されてしまったから、肉体も魂もここに残ったままなのだ。 グロークの体は光に包まれ後に残ったのは、人の胴体程の丸い塊。 デル「なんと…」 ウェル「なんだこれ?」 俺は近付きコンコンと軽く叩く。 ぴしぴしっ。 徐々に亀裂が入り、そして… 「くきゅ。」 ユリト「おはよう。」 「きゅーきゅー!」 小さな黒い幼竜は俺にすり寄ってくる。 ミア「もしかして… グロークか?」 ミアどころか全員が目を丸くしている。 ユリト「ああ。 魂はまっさらだがな。 新しく生まれ変わったんだ。 罪を償う為にな。」 「きゅーきゅー!」 グロークには死んだ人間の分を生きて貰う事にした。 それにコイツは分離したとは言え、俺と全く同じ魂を持つ個体だ。 グロークを小さくした感じだが、鱗は黒く滑らかで真っ黒の瞳はくりっとしていて可愛い。 グロークの魂はまっさらになり、新しくなったからな。 新しく名付けてやらにゃならん。 ユリト「お前の名はクリクだ。」 クリク「きゅー!」 休暇どうなるのかなぁ~。 ユリト「さあ。帰ろう。」 5人「うん!(ああ!)(はい!)」 つかお前ら泣き過ぎ! 俺たちは歓喜に満ち溢れた王都に向かう。 つうかあの爺さん誰だ? 後で聞いたら、竜の頂点と言うべき御方でした。 ユリト「その節はありがとう御座いました。」 俺はデルペティに頭を下げる。 デル「なに。 礼には及ばんよ。 おかげで素晴らしい物を見せて貰ったからな。」 なんか見せたっけ?
/543ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16402人が本棚に入れています
本棚に追加