長期休暇ですよ~!

6/93
前へ
/543ページ
次へ
ユリト「どうした? そんなに息切らせて。」 ウェル「どうしたもこうしたもあるか! 私は反対だ!」 あっ。 そういえばウェルって長く飛んでると気分悪くなるんだっけ? 最初に乗った時は、10分ぐらいだったから大丈夫だったけど。 実地訓練の時は15分くらい乗ってたもんな。 五分の違いがあれかよ… ユリト「じゃあお前だけ置いてく。」 ウェル「うっ… それは嫌だ。 何分ぐらい乗らないといけないんだ?」 何分? 何分の話しじゃないんだけどな~。 ユリト「うーん。 180分くらい?」 行く間に2つ山脈越えなければならないし、他国の人間に見られるのはまずい。 しかも今回は大人数だから、早くは飛べない。 振り落とされたら大変だしね。 かくして適切な高度を保ち、振り落とさない速度。 更に今の時期は上空は海からの風が強い。 俺だけなら一時間も掛からないが、それは俺の体がいかなる過酷な環境にも、すぐさま適応出来るからだ。 ウェル「180分~? えーと… えっと… さっ三時間も!? ほっ他に方法は無いのか!?」 ウェルのかなりテンパってる姿は、滅多にお目にかかれない。 可愛いと思ったのは秘密だよ? ユリト「無い。」 いやマジで。 理由は言わずとも分かるはずだが、今のウェルはあの吐き気がかなりしんどかったらしく、一種のトラウマになったらしい。 だから冷静な判断が出来ないだろう。 ウェル「うぅ~~。」 いまウェルの心の中では、行くか行くまいか葛藤しているだろう。 ソティー「はぁ… はぁ… ウェル… 置いてかないでよ。」 ウェルは耳が良いし、大声で叫んでたから聞こえたんだろうな。 知らぬが仏。 もうちょい帰るのが遅い方が良かったな。 ソティー「… どうしたの?」 追いついたソティーは頭を抱えているウェルを指差しながら聞いてくる。 ユリト「今海に向かうのに、ミアかシニルに乗っけて貰おうって事話した。」 ソティー「なるほど…」 ウェル「うぅ~~。」
/543ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16402人が本棚に入れています
本棚に追加