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ウェル…side
「ぐっ!
げほっげほっ!
てめぇーおちょくってんのか!」
ユリト「うん♪」
ユリトは恐ろしい程の笑顔で答える。
このいたぶりを見ているのは、3班の人間だけだ。
各々ユリトに応援を送るとみんな自分の指定されていた試合場に向かった。
オグレとルミクは1班。
ログスは4班。
ソティーは5班だが、試合では無いため見に来ている。
リムは8班。
私は運良くユリトの班と同じになった。
「なっ!
きっ!
ぐぐぐ!」
相手は血管が浮き上がり、歯軋りをしている。
審判員は死なないように、殺さないようにするための監視役。
あくまでここは戦場なのだ。
「殺してやる!」
怒りにまかせ、残る魔力を全て魔術陣にこめる。
ユリト「それ反則。」
どさっ
ユリトは消え、突然倒れた相手生徒の後ろに立っていた。
審判員は相手生徒の意識を確認する。
「勝者ユリト・アツカマ。」
ユリトは試合場から出てくる。
ウェル「物足りなさそうだな。」
ユリト「足りないねぇ~。」
クリク「きゅー!」
クリクは翼をぱたぱたと動かし、ユリトに向かおうとするがまだ飛べないでいる。
ソティー「うわわ!
ほんと甘えん坊だね。」
ユリト「よいしょ…
クリクに取って親だからな。」
そういえばユリトはさっき反則とかなんとか言っていたな。
一応反則は無かった筈だが…
ウェル「ユリト。
あいつは何をしようとしたんだ?」
そう言って未だ伸びている生徒を指差す。
ユリト「ん?
上級の広域魔術使おうとしてた。」
それで?
ユリト「だってさ。
単体に広域魔術使う?
ただ疲れるだけじゃん。
魔力の無駄使い!」
なるほど…
ソティー「それに怒りに任せるなんて、戦場じゃ命取りだもんね。」
うーん…
怒りにまかせて?
ユリト「ウェルは常に冷静だから必要ないよ。」
ウェル「そうか。」
確か今やってる試合が終わったら私だな。
クリク「きゅー!
きゅー!」
ユリト「ん?
ほら。」
ご飯の時間らしくユリトは何処からともなく、肉が乗った皿をクリクの前に置く。
ソティー「急に成長してきたね。」
最初は人の頭ほどの大きさだったが、今は二倍だ。
ユリト「そのうちおんぶになりそう。」
私たちにも子供が出来たらこんな風に愛でてく…
何を考えてるんだ私は!
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