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魔武術大会2日目。
今日は三回戦から始まり、後3回勝ち進めばウェルと当たる。
昨日は試験の意味合いが強くて緊張でピリピリしていたが、今日は別な意味でピリピリしている。
ユリト「学食券でこんなに釣れるのかねぇ。」
無駄な気合いが入って試合に臨む生徒達をベンチで横になり呆れながら眺める俺。
だってさ…
「ずりゃー!」
「ぐはぁー!」
無駄に叫びすぎだろ。
ウェル「生徒の半分は平民出だし、学食は王宮料理と何ら変わりないから欲しいだろ。」
わかっちゃ居るけどね。
あまりに暇な試合が続いているから、俺は腹の上に乗せているクリクで遊び始めた。
クリク「きゅきゅ~。」
かわいいなぁ~。
かわいいと構い過ぎる事ない?
今その状態。
ウェル「クリク迷惑そうだぞ?」
ユリト「大丈夫大丈夫。」
最初はクリクも喜んで遊んでいたが、俺のしつこい構いが鬱陶しくなってきているようだ。
クリク「きゅー!」
にしても丸くなったなぁ~。
太っちゃったかな?
クリク「きゅ…。」
いつ頃鱗固くなるんだろ?
固くなったらこうやって構えないなぁ。
ウェル「そろそろ本当に止めないと…」
ウェルの心配をよそに俺はクリクを構い
クリク「きゅぷ。」
?
急にお腹が太って…
クリク「きゅーー!」
ゴゥーー!
ユリト「おわーー!」
ぷすぷすぷす…
クリク「ぽふっ。」
クリクは吐き残した黒炎を上に向かって吐く。
ウェル「言わんこっちゃない。」
ウェルは溜め息をついてクリクを自分の膝の上に乗せ頭を撫でている。
並みの人間なら丸焦げの重傷だ。
ユリト「うーん…
クリク強くなったなぁ~…」
クリク「きゅ!」
クリクの強さなんて知らないけどね。
ウェル「ユリトの番だぞ。」
俺の心配しろよ。
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