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あまりにデカい声で叫んだから、周りがこっち向いてるよ。
試合場に上がるの恥ずかしくなっちゃったよ。
ユリト「はぁ…
さっさと終わらせよ。」
俺はベンチからむくりと起き、試合場に向かう。
そして対峙した相手が…
ラングレ「やぁ。また試合するとは思ってなかったよ。」
…
誰?
俺は腕を組み眉間にシワを寄せて考える。
どっかで見たんだよなぁ~。
「あれ?
前もそんな事してなかった?」
ユリト「分かった!」
間違いない!
絶対そうだ。
流石は俺の記憶力!
いやー記憶力いいって得だね。
ユリト「鍛冶屋の息子!」
ビシリと指差す俺。
あれ?
違った?
ラングレ「先生始めてください。」
ジョル「では…
始め!」
今日の3班の審判員はジョル先生らしい。
ラングレ「やぁ!」
ユリト「うわっ!」
危な!
まだ魔武器も展開してないんだよ!
俺は肩を狙った槍の突きをバックステップでよける。
急いで魔武器を展開し相手に向ける。
最近になって気付いたが、粒子状の時は俺を中心に1m範囲しか展開出来ない。
遠くの敵を攻撃するには、ある程度の大きさがないと魔武器を飛ばせない。
しかも大きければ大きい程、遠くの敵を攻撃出来る。
ラングレ「タワーソルフ!」
おっと。
俺は地面から急速にせり上がる土の柱を避ける。
思い出した。
コイツウェルの婚約権をかけて死合ったやつだ。
あの時と違って土柱の規模も範囲も圧倒的に違う。
負けたのがそんなに悔しかったのか?
ラングレ「さぁ。
死合おうか。」
土柱の杜から聞こえる低い声。
あの時死んだような目をしてたのは、特訓してたからか?
ラングレ「はっ!」
土柱の影を利用し近付いたラングレは、後ろから俺の頭めがけ強烈な突きを放つ。
槍を使ってんのに、自分から攻撃の邪魔になる土柱作るなんて何考えてんだ?
頭を狙った攻撃を避け、右手の巨剣で土柱ごと相手を切る。
ガラガラガラ…
へぇ~。
ユリト「変わり身か。」
俺が斬ったのは土人形だった。
土人形に魔力を流して自分に見立てる。
最も奴の魔力が充満した場では探すのは一苦労。
広範囲魔術はあんまり使いたく無いし…
それに奴の領域の中で負かしたら、カッコイイじゃん。
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