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ウェル…side
試合を見るのに飽きたユリトはクリクで遊び、クリクは最終的に黒炎でいたずらを止めた。
ウェル「言わんこっちゃない。」
溜め息をついてクリクを膝に乗せ頭を撫でる。
クリク「きゅきゅ~♪」
ユリト「うーん…
クリク強くなったなぁ~…」
クリクの強さって知ってたのか?
クリク「きゅ!」
クリクはユリトに誉められ上機嫌のようだ。
ん?
試合が終わったな。
ウェル「ユリトの番だぞ。」
いまだに煙を上げるユリトは全く動かない。
並みの人間なら瀕死だが、ユリトなら大丈夫だろ。
それに自業自得だ。
ユリトは起き上がりトボトボと試合場に向かう。
相手はアイツか…
ログス「やっほー。
ユリト何がったの?」
ログスは何事かと聞きに来たようだ。
ウェル「自業自得だ。」
クリク「きゅぷ。」
ログス「みたいだね。」
ウェル「ログスは勝ったのか?」
ログス「おう。
もちろん!」
ログスはぐっと拳を作って前に出す。
ログスもやる気だな。
ログス「ユリトと一度本気でやってみたいんだ。」
キラキラと目を輝かせながらそう言い、ログスは試合場を見る。
そこには巨大な土柱の森があった。
ログス「大丈夫だよね?」
ログスは指を指し、ギギギと音がしそうな動きでこちらを見る。
ルミク「まずいと思う。
彼の得意な戦闘形式だね。」
岩の砕ける音がするが、ここでは中の様子が分からない。
ウェル「ルミクも終わったのか?」
ルミク「うん。」
オグレ「なんでルミクと同じ班なんだ…」
ログス「ははは。」
ぼろぼろのオグレはがっくりと肩を落とし、うなだれている。
ログス「おや?
次俺みたい。
んじゃね。」
そう言い走って4班の試合場に向かう。
完全に審判と相手生徒を待たせてるな。
ドーン!
3班試合場の真ん中で土埃が舞う。
ユリトなら広範囲魔術で一気に凪払えるだろうが、なぜしないか分からない。
ソティーは試合中だった為に来れなかったが、終わったのかこちらに来た。
ソティー「ユリトどう?」
ウェル「負ける事は無いだろうが、いまは劣勢だと思う。」
ルミク「ソティーは知らないよね?」
そう言えばそうだな。
ソティー達は編入して来たから、奴の戦闘形式を知らない。
ルミク「彼は土魔術の他に無魔術も使うの。
その中でも幻覚系魔術が得意。」
つまりあの中は奴の領域。
土柱一本一本に幻覚魔術を使っているはずだ。
ウェル「はまってなきゃいいが…」
奴は熟練者が持つ特有の感覚を逆手に取って戦う。
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