長期休暇ですよ~!

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ユリト…side くそ! なんで土柱から奴の気配がするんだ! 土柱に無魔術がかかっているが生憎、無魔術は暗記範囲外だ。 というより最初の方しか暗記してない。 そこら辺りから忙しくなっちゃったからね。 ガキッン! ユリト「あっぶね!」 右横からの突きをよけたと思ったら左だ。 俺は急遽収束した盾で防ぐ。 どうもはまったらしい。 推測だが幻覚魔術だろう。 空間を騙す幻覚魔術か。 この空間の中にいる間は有効らしい。 いま俺はラングレのテリトリーの中に居る状態だ。 ラングレのテリトリーと… なんだ。 じゃあ俺のテリトリーを作りゃあいいじゃん。 俺は巨剣を担ぎ、目を閉じる。 ラングレ「諦めましたか?」 反響し八方から聞こえる声と気配。 ユリト「いいからさっさとかかって来いよ。」 残念だがお前の術は破られる。 ラングレ「威勢がいいですね。 この勝負取らせて頂きます。」 迫る複数の槍の気配。 みっけ。 ユリト「バイシウィドゥ!」 これは風の拘束魔術だ。 しかし風魔術は拘束系や防御系とは相性が悪く、もっぱら不可視攻撃とスピードなどの補助だ。 ラングレ「!」 俺は魔武器を通して、風の魔力を周囲に展開していた。 そうして俺のテリトリーが出来上がったのだ。 ユリト「ようこそ俺の領域へ。」 テリトリーに入ったパチモンの槍の気配は消え、本物の槍の気配が浮かび上がる。 そこに拘束魔術をかけたのだ。 一瞬でも拘束出来りゃ後は簡単。 ラングレ「―っ!」 ガァーン! ズガガガガ! ラングレは咄嗟に槍でガードしたが、そのまま土柱にぶつかりながら吹き飛ばされていく。 防げるとは思ってなかったけど。 集中力が切れ、姿が露わになったラングレの首筋に、俺は短刀を押し付けた。 ユリト「俺の勝ちだな。」 ラングレ「くっ… また力及ばずか…」 あれ? まだ諦めとらんの? 俺は魔武器を携帯型に戻す。 ユリト「しつこいと嫌われるよ~」 ラングレ「うっうるせー!」 おう本音。 ラングレは顔を赤らめながら魔武器を戻し、魔術を唱える。 ごー… 巨大な土柱は轟音を上げ地面に引っ込んでいく。 土や山魔術はこうやって地面を整備するにも使えるのだ。 ただ莫大な魔力を使うからほとんどの人はやらない。 というより並の人間がやったら、良くて倒れて悪くて死ぬ。 そんくらい魔力を消費するのだ。 ラングレ「ふぅー…」 大丈夫みたいだね。 バタン 駄目でした♪
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