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知った仲だからやりにくいだろうなぁ。
ウェル「覚悟しろよユリト。」
ユリト「死ぬなよ。」
そうでもないみたい。
試合前からバチバチと火花を散らす2人。
つか俺はどっち応援しよう。
ジョル「始めて大丈夫ですか?」
余りにも長い間話していた為、ジョル先生が呼びに来たようだ。
ウェル「ああ。
体が冷えてしまったな。」
ユリト「さぁ~て。
決勝勝ち抜き戦で当たる奴は誰かなぁ。」
背伸びをしながら試合場に向かうユリトは、試合前から勝った気でいるよ。
リム「ユリト、ウェル、頑張って下さいね。」
リムはやっと復活。
オグレはソティーさんに殴られ、顔が地面に埋まった状態だ。
身体強化使ってたしね。
ユリトとウェルがここで潰し合いになった事に喜んだ奴は多い。
2人は学園内で模擬戦で当たりたくない相手の中に入っている。
ユリトを筆頭とし、次いでソティーさん、第6生不良番長、ウェル、第4生主席となっている。
おっと。
そろそろ始まるな。
ジョル「始め!」
…
まず気迫の応酬…
というより殺気?
2人共魔武器も展開せず立ち尽くし、ユリトは口元に笑みを浮かべている。
ウェルは冷や汗をかき、ユリトの指一本の動きも見過ごさぬよう神経を尖らせている。
長い時間それが続き、周りの喧騒もいつしか静寂に変わっていた。
ガァァン!
遂に重くのしかかるような金属音が響き渡る。
ユリトの巨剣とウェルの戦槌がぶつかり、衝撃波が地面を抉った。
俺は姿どころか線さえ見えなかったよ…
ギリギリと巨剣と戦槌が火花を放ち、力は均衡している。
ログス「アイツ本当に人間か?」
ウェルが必死に押しているにも関わらず、ユリトは笑みを浮かべている。
ルミク「私たちの力を超えてるよね。」
俺よく本気で戦おうなんて思えたな…
ユリトはウェルの押す力を利用して後ろへ飛ぶと、ウェルの戦槌は支えが無くなり、地面に半分程埋まってしまった。
ウェル「カダーアスシスト!」
ウェルはすぐに手を前に突き出し、魔法で追撃する。
ユリト「おぉ!すぅ…」
ユリトは感心したような声を上げると一つ息を吸い込んだ。
ゴオゥーウ!
全員「えぇ~~~!」
口から黒炎を吐き出し、氷の薄刃を一瞬で蒸発させ、美しいまでの黒炎はそのままウェルに向かっていった。
あれ当たったら絶対に消し炭になるよね?
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