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ユリト…side
前に倒れかけるウェルを抱き止め、ゆっくりと床に寝かせる。
ユリト「ふぃ~。」
俺はとりあえずその場に座り額の汗を拭う。
まさかここまで強くなってるなんてね。
加重魔道具を2.5倍にしてこれかよ。
外したらどうなるのやら。
ジョル「勝者ユリト・アツカマ!」
余りにハイレベルな戦闘に周りは放心状態になっている。
流石に封印具を付けてると、ウェルには簡単に勝てそうもないな。
あの時はウェルの意識が朦朧としていて、今現在で出せる力をフルに使ったから後ろに回れた。
ちなみに封印具で抑えている力は、全体の99%。
どれだけ俺の力が底無しかお分かりだろう。
グロークという枷が無くなった為、更に力が解放されてしまったのだ。
おかげで封印具を作り直すはめになった…
とにかくウェルが本気で戦えば、俺の全体の力の1%以上の能力を発揮する計算になる。
そんな事を考えながらウェルに回復魔術を行使し、破損した内臓を治す。
あらかたは治して、後は自然治癒能力に任せる。
余り魔術に頼ると、生物本来の能力が失われるからね。
ユリト「よいしょ。」
俺はウェルを抱き上げ、みんなの所に行く。
こいつらいつまで放心してんだ?
ユリト「ソティーは見えたよね?」
じゃないとウェルに追い抜かれた事になるよ?
ソティー「えっ?
うん。
ブレてだけど…」
うーん…
近距離専門じゃないから大丈夫かな?
ウェルを抱き上げたままというのも、周りの視線が痛いから長椅子に下ろす。
医務室は怪我人でごった返してるだろうからね。
わざわざ密度が高い所に行く必要もないだろう。
試合場はやっと喧騒を取り戻し、各々感想を話している。
ユリト「あれ?オグレは?」
そういや周りを見渡しても姿が見えない。
リム「先生に連れてかれました。」
筆記ヤバいもんな。
俺も先生にその事言われたけど、魔術理論書の第1章をその場で読んだら、補習は無しにしてくれたよ。
ログス「ほんとユリトって底無しの強さだよな。」
ログスは俺を人間では無いように見るが、自分でも疑ってるからいいや。
にしても魔武術大会が終わってすぐに筆記試験とは…
普通筆記の後じゃね?
元は試験だったからで、次回からは調整されるだろうな。
その後教室に移動して、ウェルが起きるまで筆記の勉強を皆でしていた。
勿論俺は教え側だ。
教える方が疲れるって本当だね。
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