長期休暇ですよ~!

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そして屋敷に帰り、今は夕食中だ。 今日は新しい料理を作ったから、みんなに試食して貰っている。 ユリト「どう?」 ソティー「うーん。 美味しいんだけど… なんか足りないよね。」 ミア「私は十分美味しいと思うがな。」 俺も一口食べてみて、なんか足りないと思う。 なんかが足りない。 良くあるよね? ウェル「少し辛い。」 好み聞いてる訳じゃ無かったんだけど。 確かにピリ辛にしたけど、ほんのちょっとだぜ? ソティーが普通に食べてるんだから、ウェルがどれだけ辛い物に耐性が無いか分かる。 甘党かな? ウェルの作るお菓子は美味しいしね。 その分料理は苦手らしい。 ユリト「改良の余地ありか…」 でも何が足りないか分からないんだよねぇ。 とにかく失敗ではなかった新作料理を食べ、食器を片付けている時だった。 ユリト「…後頼んだ。」 ソティー「えっ?うん?」 俺は疑問ながらも承諾した声を背に、ベランダに出る。 カチャ パタン ユリト「ふー。 ここならいいだろ。」 ベランダの手すりに肘をかけ、体重を預ける。 そうすると隣にすっと降りてくる気配。 「悪いね。」 ユリト「もう来ないんじゃ無かったっけ?」 「そのつもりだったんだけどね。 ちょっと大変な事を忘れててね。」 相変わらずこの神様は抜けてんなぁ。 はぁ。 溜め息だって出ちゃうよ。 ユリト「今度は何をやらかしたの。」 アルデ「実はロウドビルに来たのは君だけじゃなかった。」 俺だけじゃない? もしかして俺が来た事で世界の境界が曖昧になってんのか? アルデ「そうじゃない。 元々世界間で魂の行き来はあったけど、肉体の行き来も過去に何度かあったんだ。 ただユリト君の場合は、私と同じ力を持っていたから話し掛けたんだ。」 ユリト「過去っていうと?」 アルデ「3000年前。 」 俺は3000年ぶりの肉体の行き来ってか。 アルデ「問題はロウドビルが私との干渉権を切った事。」 前回は軽~く言ってたけど、やっぱり問題あったんだ。 アルデ「理由は魔力だ。 ここロウドビルから3つの世界に、その各世界を維持する為の魔力が流れているんだが、その供給をロウドビルは止めた。」 ユリト「止まった世界は?」 アルデ「滅びる。」
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