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ユリト「あっさりいってくれるねぇ~!」
アルデ「いたたたたたたた!
痛い!放して!」
アルデの頭を正面から掴みベランダの外にぶら下げる。
ユリト「ちょっと大変な事どころじゃねぇだろ!
大惨事じゃボケェ!」
だって3つの世界の人間がみんな死ぬんだぜ?
もっとも俺はあっちの世界に親しい人間なんか居ないからいいが、故郷を失うのは悲しい。
家族の墓もあるしね。
此方に来てかれこれ2ヶ月になるのか…
長かったなぁ。
アルデを下ろさない事には話しも進まないな。
アルデ「いたた。」
ユリト「んでどうすんの?」
頭をおさえているアルデに話しを進めるように促す。
アルデ「その事なら各世界に魔力の発生源を作ったから大丈夫。」
大丈夫なら言うなよ。
紛らわしい。
アルデ「いや本当に言いたい事はこれじゃ無くて、これは一億年前作った仕組みでね。
人に魔力が溜まりにくくするための仕組みなんだよね。」
一億年前というと魔術文化の全盛期時代か。
自惚れて魔力を奪われたってやつね。
アルデ「そうそう。
それで自然魔力が世界に充満しつつあって、魔術が更に使いにくくなりつつある…
はずなんだけど、その魔力が何処かに消えちゃってるんだよ。」
私は関与出来ないから、何処で消えてるか分からないんだよねぇと、空を仰ぐアルデは何処か悲しそうだった。
いつぞや聞いたがこうやって来れるが、力は振るえないらしい。
ユリト「それを見つけろと?」
アルデ「出来ればね。
ユリト君も忙しいだろうから、お願いって感じかな?」
要するに自然魔力が異常に低い所を見つければいいんだろ?
ユリト「ふぅ…
やれるだけやるさ。」
俺は部屋に戻ろうとベランダのドアに歩き出す。
アルデ「ありがとう。
おやすみ~。」
すうっと気配が薄れていくアルデに俺はおやすみと返した。
神って寝んのかな?
まあいいや。
俺は食堂の明かりを消し、ソティー達が居るであろう部屋に向かう。
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