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岩の檻と槍は崩れ落ち、周辺には砂埃が舞います。
まだ油断は出来ません。
相手はなんたってユリトですからね。
ユリト「ディオゾファイヤー。」
!
瓦礫の隙間から溢れる炎。
私はとっさに近くの岩柱の影に隠れます。
あっつ!
後ろからは絶えず灼熱の炎が流れます。
!
なんと目の前の岩柱が、赤く溶け出しているではありませんか!
という事は…
ルミク「ウォツラガラス!」
ユリトと私の間に巨大な岩壁を作ります。
かなり分厚く作りましたが、破られるのも時間の問題ですね。
何か策を練って置かないと…
少し不安ですがアレで行きましょう。
ユリト「何か策は練れたかい?」
私は突然から聞こえた声に見上げると、無傷のユリトが岩柱の上から私を眺めていました。
ルミク「不安だけどね。」
あの攻撃で無傷ですか…
私は身体強化を施して飛び上がり、右手の長剣で斬りつけます。
ユリトはまたしても後ろに跳び、少し離れた岩柱に移ります。
ルミク「アデラガラス!」
ユリトの周りの岩柱から、鈍く反射する鉱石の人形が現れ、ユリトを襲います
ユリト「おぉ!
使えるようになったか!」
これは以前ユリトに教えてもらった傀儡(カイライ)攻撃型の魔術で、私が操れる限界はたったの2体。
人形は魔力によって自在に操れますが、並々ならぬ集中力と魔力が必要です。
ルミク「やぁ!」
その人形と私でユリトを攻め立てます。
ユリト「頑張れ~。」
しかしユリトはあの巨剣で、いとも簡単に防ぎます。
うぅー!悔しいー!
ルミク「はぁ。はぁ。」
ユリトに私の剣も人形の攻撃もかすりもしません。
魔術行使による体の倦怠感が増し、息もあがります。
これ以上は…
ルミク「はぁっ…!」
体がぷつりと動かなくなり、ユリトは倒れかけた私の体を抱き止めます。
何が…
もしかして魔力切れ?
私は魔力切れを起こして、生きている人を見たことがない…
ユリト「体の自己防衛が働いて良かったな。
極度の肉体と魔術の行使で動かなくなっただけだ。」
ユリトはもう少しで強制的に止めてたと、言い私にでこぴんをします。
ルミク「はぁ。はぁ。
ごめん…」
「勝者ユリト・アツカマ!」
私はユリトに抱かれてみんなの所に戻りました。
私は疲れ切って意識がぼんやりとしていた所、今は寝ておけとユリトに頭を撫でられました。
後は体に流される暖かな感覚を覚えています。
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