長期休暇ですよ~!

36/93
前へ
/543ページ
次へ
ログス「ユリトが呼んでたよ。」 アクリ「話しがあるんだけど。」 声が聞こえるであろう距離に近付くと、同時に話し出す俺とアクリ。 ログス「何話しって?」 アクリ「ユリト先輩が?」 お互いに質問仕返す俺達。 多分ユリトとの会話は長くなるだろうから、先にアクリの話しを聞くか。 ログス「先に話し聞くよ。」 アクリ「先に先輩のとこ行く。」 なんだか前もこんな事してたな… もうアクリにふられて一年経つのか。 ログス「ははっ。」 アクリ「くすくす。」 アクリの笑顔が可愛いと思えるのは、俺はまだ好きなのかな? アクリ「私の話しは長くなるから、先にユリト先輩の所に行こう?」 ログス「分かった。」 そして、戻るため振り向くとオグレとリムがニヤニヤと笑っていた。 ソティーさんとウェルは、ユリトの代わりにクリクと遊んでるから見ていなかっただろう。 声が聞こえない位は離れてるとはいえ、表情なんかは丸見えの距離だ。 ユリトは見てはいないが声は丸聞こえだろう。 苦笑いをするしかないよね。 ユリト「このままでごめんね。」 ユリトはまだ魔力をルミクに注いでいた。 アクリ「大丈夫です。」 ユリト「君ってここ卒業したらどうするの?」 ユリトは何を言ってるんだ? リム「卒業したらどうするってどういう事ですか?」 オグレ「質問の意味がまったく分からん。」 ソティーさんやウェルでさえ顔をしかめている。 ユリト「あれ? 分かんない?」 アクリ「考えてません…」 アクリだけは分かってるみたいだな。 まぁ話してるのはユリトとアリクだし、ぶっちゃけ俺達は会話の意味が分からなくても、なんら問題無いんだけどね。 ユリト「よし終わり。」 ユリトはルミクに翳していた手をどけアクリと向き合うと、珍しく真剣な顔だった。 ユリト「もう引けないぞ。」 アクリ「分かってます。」 ログス「ユリト。 よく分からないが、もう終わりにしてくれない?」 アクリは拳をぐっと握りしめカタカタ震えだしたからだ。 話しの内容もなぜアクリが震え出したかも分からない。 分からないけど… ルミク「うぅ…ん。」 長い沈黙はルミクが身じろぎした事で破られた。 ユリト「ふぅ… アクリとか言ったな。」 アクリ「はい…」 ユリト「彼氏とゆっくり話し合うんだな。」 ユリトは意地悪い笑顔ではなく、優しい笑顔を俺に向ける。 何かあるみたいだな。 俺はゆっくりと頷き、アクリの手を引いて人気の少ない場所に向かう。
/543ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16401人が本棚に入れています
本棚に追加