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ウェル…side
ユリト「行ってきま~す。」
ユリトは返事を待たずに転移してしまった。
ウェル「親バカ。」
試合どうすんだよ…
ルミク「もう不戦勝にしちゃう?」
リム「大丈夫だと思います。」
オグレ「せんせぇーユリトどっか行ったから不戦って事でぇ~。」
オグレは大声でユリトの不戦を告げる。
今行る場所と試合場とは、少し離れているからな。
でもいいのか?
オグレ「ユリトは多分ソティーさんやウェルと戦いたかっただけだろうし…
どうせ使わないのにあいつが持つなんて許せん。」
くくくっと笑うオグレ。
嫉妬深いやつだな。
リム「でもなんか最後は拍子抜けって感じです。」
ソティー「そうだね。」
2戦連続で不戦だったからな。
みんな気分が高ぶり切らず、例えるなら不完全燃焼の状態だ。
ウェル「この後どうする?」
この後なにもない生徒は、そそくさと寮なり自宅なりに帰り始めている。
私はユリトを待つんだがみんなはどうするんだろうか。
ソティー「ユリトを待ってる。」
オグレ「帰ろ。」
リム「筆記試験の勉強します。」
ルミク「私もユリトを待ってる。」
ウェル「私もユリトを待つ。」
1人を除き全員が学校に残るらしい。
そういえばログスも居ないの忘れてたな。
ソティー「じゃあさ。
みんなで勉強しながら待たない?
ユリト程じゃないけど、私も教えてあげられるし。」
リム「そうですね。」
ルミク「決定って事で。」
ウェル「いいぞ。」
ユリトと比べたらどんな事でも劣るだろう。
ソティーはかなり勉強ができるのだ。少し天然だが…
最もユリトが異常な部類に入るだけであって、私たちは常人以上の努力を積んだ部類に入る。
私たちはあまりに遅いユリトを待つべく5-1の教室に向かった。
オグレ「マジかよ…」
リム「オグレの為でもありますよ?」
留年なんかしたら絶対許しませんとにこやかに笑うリム。
オグレ「ハイ。アリガトウゴザイマス。」
リムは常にオグレを近くに置いておきたいんだろう。
来年同じ組になるとは限らないが…
私もユリトにずっと近くに居て欲しいが、ユリトは何かと縛られたり独占されたりするのが嫌いらしい。
だから私はユリトの枷にならないようにするつもりだ。
でも…
少しは構って欲しい。
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