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ログス「泣かした訳じゃない…
それよりユリトは?」
ログスは簡単にルミクのからかいをあしらうと、真剣な表情でユリトの場所を聞いてきた。
ルミク「?
クリクが途中で居なくなっちゃって、探しに行ったよ?」
ログス「そうか…
アリク少し待ってて?」
アリク「うん…」
どうやら積もる話があるらしいな。
ログスとアリクは椅子に座り、黙ってユリトを待つ。
その間にログスは、震えるアリクの手を握っていた。
明らかに何かを恐れているようだ。
ソティー「ウェル聞いてる?」
ウェル「あぁ…ごめん。
もう一回頼む。」
何かソティーが喋っていたが、考え事をしていたせいか聞こえなかった。
ソティー「言い直すからちゃんと聞いてよ?」
ウェル「ああ…」
ソティー「対象陣の応用だけど、空間魔術に使われる事があるの。
本来は魔力で作った架空空間を作り出して、その架空空間と現実を更に魔術で繋いで、物をしまったり取り出したりする。
でも対象陣を両方の空間に作れば、架空空間と現実を繋ぐっていう高度な事をしなくても、対象陣同士を媒体として繋ぐ事で難易度も使用魔力も使わないの。
これは転移魔術にも応用できるね。」
ユリト早く来ないかな…
ソティーの教え方が悪い訳じゃ無いんだけど…
ソティーは私の耳元で呟く。
ソティー「暗くない?」
ルミク「私もそう思う。」
リム「ユリト遅いですね。」
オグレ「ぐぉー。」
メキッ…
ログスとアリクは相当な事があるんだろうが、あまりに雰囲気が暗すぎる。
ん?1人寝てたって?
リムに起こされたから大丈夫だ。
バタバタバタバタ
やっと帰って来たな。
バアーン
ユリト「みんな聞けぇー!
クリクが飛べるようになったぞ!
ひぁほーい!」
ユリトは教室に入るなり大声をあげ、クリクを担ぎ上げてはしゃぐ。
1人だけ雰囲気が外れてるな。
ユリト「あれ?
みんなどったの?」
あまりの温度差にユリトはおどおどする。
恥ずかしいもんな。
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