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ユリト…side
転移した先に待っていたのは、楽しそうに飛び回るクリクだった。
ユリト「クリク!
飛べるようになったのか!?」
クリク「きゅきゅきゅ~!」
4つの翼をぎこちなく動かし、なんとか飛んでいる感じだ。
かわえぇ~。
ユリト「そうだ!」
最近気付いたんだが、何も全身を変化しなくても一部だけなら、力が暴走する事もない。
俺は上の服を脱ぎ、空間魔術でしまう。
野外だから見られたら変態扱いだろうな。
メキメキ…
ユリト「ふぅ…」
クリク「きゅ~…」
生々しい音と共に背中にクリクと同じような形だが、クリクよりもがっちりした黒の2対の翼が生える。
ゆっくりと動かし、体に翼の動きを馴染ませる。
ユリト「よし!行くぞクリク!」
クリク「きゅー!」
その後ずっと飛んでいたが、試合の事を思い出したが既に終わっているだろうと推測。
魔術でみんなが教室に居ることを知り、教室に駆け込んだ。
バタバタバタバタ
バアーン
ユリト「みんな聞けぇー!
クリクが飛べるようになったぞ!
ひぁほーい!」
俺はクリクを担ぎ上げて嬉しさのあまりにはしゃいだ。
学園内に降りてすぐに服を着たんだが、誰かに見られなかったかな?
ユリト「あれ?
みんなどったの?」
ちょっと待て。
何でこんな暗いんだよ!
ログス「ユリト…
話しがあるんだが…
いいか?」
ログスは震えるアリクの手を引き、俺の前にやってきた。
なるほど…
さしずめログス達の雰囲気が蔓延したって所か。
ユリト「決まったか?」
何がって?
聞いてりゃ分かるよ。
帰りがけ城に寄ったら、更に分かっちゃったしね。
ログス「その前に聞いて欲しい事があるんだ。
アリク。」
アリク「はい…」
すっとアリクが出てきて躊躇う口を動かす。
アリク「私…
反逆者の血筋なんです…」
ログス&ユリト以外「えっ?」
アリク「13年前の反乱は私の父が首謀者でした。
そして革命に失敗し処刑されました。」
ユリト「知ってた。」
さっき知ったんだけどね。
アリク「えっ?」
ユリト「反逆者の血筋?
俺にとっては糞食らえだね。
もうこの国は能力のある人間は、就くべき役割が決まっている。」
アリクはぽかんと俺の顔を見ている。
多分反逆者の血筋だから、警戒されると思ってたんだろうな。
ユリト「全ては個々の人間が持つ力で決まる。
その点…
お前は兵士に向かない。」
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