長期休暇ですよ~!

46/93
前へ
/543ページ
次へ
ユリト…side 転移した先に待っていたのは、楽しそうに飛び回るクリクだった。 ユリト「クリク! 飛べるようになったのか!?」 クリク「きゅきゅきゅ~!」 4つの翼をぎこちなく動かし、なんとか飛んでいる感じだ。 かわえぇ~。 ユリト「そうだ!」 最近気付いたんだが、何も全身を変化しなくても一部だけなら、力が暴走する事もない。 俺は上の服を脱ぎ、空間魔術でしまう。 野外だから見られたら変態扱いだろうな。 メキメキ… ユリト「ふぅ…」 クリク「きゅ~…」 生々しい音と共に背中にクリクと同じような形だが、クリクよりもがっちりした黒の2対の翼が生える。 ゆっくりと動かし、体に翼の動きを馴染ませる。 ユリト「よし!行くぞクリク!」 クリク「きゅー!」 その後ずっと飛んでいたが、試合の事を思い出したが既に終わっているだろうと推測。 魔術でみんなが教室に居ることを知り、教室に駆け込んだ。 バタバタバタバタ バアーン ユリト「みんな聞けぇー! クリクが飛べるようになったぞ! ひぁほーい!」 俺はクリクを担ぎ上げて嬉しさのあまりにはしゃいだ。 学園内に降りてすぐに服を着たんだが、誰かに見られなかったかな? ユリト「あれ? みんなどったの?」 ちょっと待て。 何でこんな暗いんだよ! ログス「ユリト… 話しがあるんだが… いいか?」 ログスは震えるアリクの手を引き、俺の前にやってきた。 なるほど… さしずめログス達の雰囲気が蔓延したって所か。 ユリト「決まったか?」 何がって? 聞いてりゃ分かるよ。 帰りがけ城に寄ったら、更に分かっちゃったしね。 ログス「その前に聞いて欲しい事があるんだ。 アリク。」 アリク「はい…」 すっとアリクが出てきて躊躇う口を動かす。 アリク「私… 反逆者の血筋なんです…」 ログス&ユリト以外「えっ?」 アリク「13年前の反乱は私の父が首謀者でした。 そして革命に失敗し処刑されました。」 ユリト「知ってた。」 さっき知ったんだけどね。 アリク「えっ?」 ユリト「反逆者の血筋? 俺にとっては糞食らえだね。 もうこの国は能力のある人間は、就くべき役割が決まっている。」 アリクはぽかんと俺の顔を見ている。 多分反逆者の血筋だから、警戒されると思ってたんだろうな。 ユリト「全ては個々の人間が持つ力で決まる。 その点… お前は兵士に向かない。」
/543ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16401人が本棚に入れています
本棚に追加