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ユリト「生き物を殺す覚悟はお前には無い。
それで卒業後どうすんのって聞いたんだ。」
どんな経緯で殺す事に抵抗を持つようになったか分からんが、兵士として致命的だ。
アリク「分からないんです…
もう殺すのは嫌…
でも…
ここしか居場所が無いから…
うぅっうっ…」
うーん…
どうもこの抵抗は払拭出来そうもないな。
しかしここは魔術兵士を育成する学園だ。
入学中には対魔物訓練で魔物を殺すだろうし、卒業すれば嫌でも人を殺さなくてはならない。
見た目からも根が優しい子って言うのも分かるが、いまだに血筋を気にする人はいる。
反逆者の血筋なら尚更だし…
ログス「ユリト。
ちょっといいか?」
ユリト「ん?」
ログスは教室の端に向かい、俺はその後をついていく。
ログス「アリクさ。
入学して初めて出来た親友を殺したみたいなんだ。」
なぜ?
ログス「昔はもっと魔力があったらしくて、模擬試験で魔術の威力が強過ぎて…」
なるほど~。
ありぁ再起不能だな。
才能があっても、心が折れてちゃだめだ。
ログス「アリクは優しいしさ。
殺しとか無理だし…
卒業後なんとか出来ないかな?」
なんとか出来ない?って言われてもねぇ。
国からとっちゃ犯罪者一家だしねぇ。
兵士以外で陛下に忠誠を誓いつつ働ける仕事つったら…
ユリト「あれかな?」
多分大丈夫だと思うけど…
当たってみるか。
ログスの未来の奥さんかもしれないしね。
友の願いは聞いてやらにゃ。
アリクを見るとみんなに慰められていた。
ユリト「よし!
積もる話はおしまいだ!」
そう言いながらみんなの所に俺とログスは戻った。
ソティー「アリクちゃんの事はどうするの?」
ルミク「このままは酷だよ…」
いやほっとくなんて誰も言ってないよ?
ユリト「この件は俺が預かる。」
ログス「ユリト!
ありがとう…
アリク。
ユリトなら絶対なんとかしてくれるよ。」
アリク「うん…
ユリト先輩。ありがとうございます。」
ゆっくり頭を下げるアリク。
全くログスったら本人より嬉しそうにしちゃってまぁ…
アリクもログスと居るのが一番いいらしいし、なんでふったんだろ?
まあいいや。
ユリト「まとまった所で行くぞ!」
ぐっと拳を空に振り上げる。
リム「どこにですか?」
いきゃあ分かるって。
気絶していたオグレは、いつの間にかリムの手によって、魔術陣構成学の担当教師に引き渡されていた。
愛の鞭だね。
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