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俺は書類を先に片付けて椅子から立ち上がり、レイアンの横に座る。
ユリト「家族かな?
かけがえのない大切な。」
レイアン「家族…か。」
レイアンは少し嬉しそうに、少し悲しそうに答える。
ユリト「疲れたろうから今日はもう寝よう?」
そう言ってレイアンの額にキスをして立ち上がる。
レイアン「まっ!」
寝室に向かう俺の肩を掴み、珍しく大きな声を上げる。
レイアン「あっ…
すまない…
なんでもない…」
レイアンは俺の肩を掴んでいた手を離す。
レイアンは感情を隠すのが苦手なのかな?
昔の俺みたい。
耳が垂れ下がっているから、落ち込んでいるのが分かる。
ユリト「行動して後悔するより、行動しないで後悔するほうが何倍も強い。
言ってみたら?」
どっかのえらい人の名言だぜ!
レイアン「…
今日だけは…」
ユリト「今日だけは?」
レイアン「ユリトを独り占めしたい。」
はい?
あ~。
そーいやーアリンちゃんに言われてたっけ。
アリン「お姉ちゃんはユリトさんの事好きだからよろしくお願いします!」
って…
でもどうしろと?
一緒に寝るにしても俺のベッドはしっかり占領されてるし、レイアンの部屋はアリンちゃんと一緒だろうし…
ユリト「下行くか…」
俺はレイアンに手招きをして、自室を後にする。
客室なら空いてるな。
5階は確かに部屋は多いがベッドはまだ入れてない。
入ってるのはソティーの部屋とウェルの部屋だが、さすがにねえ。
レイアン「無理言ってすまない…」
ユリト「大丈夫だよ。」
俺たちの足音の中に響く声。
周りが非常に静かだから、余計大きく聞こえる。
朝はいつもより早く起きておかないと、ソティーたちに何を言われるか分かったもんじゃない。
今日の事もあるしなぁ~。
いじける可能性が…
まあいいや。
明日は筆記前日だから自習だし、その時に構ってやればいいや。
客室のベッドに潜り込むと、レイアンは俺に抱きついてくる。
元隊長と言えど女性。
甘えたくもなるだろうな。
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