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ミア…side
ソティー「うわぁー!
遅刻する~!」
ユリト「あっ!ソティー!
そっち俺のカバン!」
ウェル「さっさと行くぞ!」
ミア「行ってらっしゃ~い。」
バタバタバタ…
ユリト「誰のせいでこんな事になったんだ!」
ウェル「過ぎた事を言うな!」
遠ざかる足音と声。
昨晩ウェルがもう一つの試験範囲を勉強するのを忘れていたため、ユリトとソティーが付きっきりで教えていた。
そして寝坊だ。
レイアン「朝から騒がしい奴らだな。」
開け放たれたドアから入って来たのは、犬耳をピンと立てたレイアンだった。
ミア「全くだ。
ところで何か用か?」
ユリトがいない今、私に用があるとみた方がいいだろう。
レイアン「あぁ。
今日の巡回についてだ。」
そういえば昨日の巡回中、定期的に巡回する道を変えるかという話になった。
確かに同じ道だと奴隷商に逃げられやすくなる。
ミア「そうだな。今日から変えるか。」
一応複数の巡回道筋は作ってあるのだ。
レイアン「分かった。」
それだけ話すとレイアンは部屋を出て行った。
私も着替えるか。
自室に戻り国直部の軍服にマントを羽織る。
最初の頃はそれなりに捕まえていたが、しばらくたつとめっきり捕まらなくなった。
道筋が固定化してたから、そこを避けて動いているらしい。
魔物を駆逐する警備隊と違って、国直部が相手にしているのは人間だからな。
警備隊は定刻に決まった道を回るが、国直部は不定刻不定の巡回をしなければならない。
ミア「すまない。遅れた。」
少しのんびりしすぎたか?
既に隊員たちは整列していた。
新人もだいぶ強くなったために、今日から初任務だ。
まぁ一週間も私と模擬戦をすれば、強くなるのは当然だ。
レイアン「丁度今日の巡回について話し終えた所だ。」
ミア「そうか。
なら早速いくか。」
レイアン「あぁ。
総員乗車!」
レイアンのかけ声と共に、一斉に馬車に乗る隊員たち。
ミア「今日の先頭はレイアンだな。」
レイアン「あぁ。」
基本巡回は軍馬車2台と通常馬車1台、牢馬車1台で行い、レイアンと私が交代で先頭を受け持つ。
そうして私たちは屋敷を出る。
巡回の間、屋敷内が使用人だけになるが、ジェーヴォルフがいるから心配は無い。
いまだに貴族内で使用人として、奴隷の売買が行われているが、それは貴族制派だ。
だから奴隷商も出入りするし、人攫いをして他国で売る奴隷商もいるから、国内が安定しても私たちの任務は続くだろう。
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