長期休暇ですよ~!

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顔を上げたレイヤンさんは涙目で、今にもクゥーンと鳴きそうです。 ミア「なにをしてるんだ?」 私もレイヤンさんなら、すぐに避けられたと思うんですが… レイヤン「考え事してて、荷物に寄りかかったら…」 崩した原因はレイヤンさんでしたか。 私も考え事をしていたら避けられる自信はないですね。 ソティー「今退かしますから、待っていて下さいね。」 レイヤン「すまない…」 まだ半分以上が荷物に埋まった状態のレイヤンさんは、しゅんと耳を落とします。 レイヤンさんってなんていうか… 可愛いんですよね。 綺麗な方なんですけど、時々子供っぽいと言いますかなんと言いますか。 子犬って感じがあります。 レイヤン「本当にありがとう。 てっきり朝まであの状態かと覚悟した。」 少し顔を赤らめ、恥ずかしそうに視線を逸らします。 ミア「まあしょうがないさ。 入れるの手伝って。」 レイヤン「あぁ。」 そうして荷物を全て出して、また綺麗に入れ直します。 その作業に一時間かかりました。 レイヤン「その事なら問題ない。」 終わった後に国直部の長期休暇についてレイヤンさんに話しました。 ソティー「どうしてですか?」 レイヤン「私もその事を危惧してユリトに話したら、陛下に言ったら怒られたって言ってたぞ? 有無は言わせないって事だろ。」 怒られたって… 何ででしょう? ミア「陛下だって分かってるだろうに…」 謎は深まるばかりですね。 ソティー「話し変わりますけど、アンティスクってどんな魔物なんですか?」 これは私に出された課題で、聞いた事の無い魔物だったんです。 レイヤン「ん? 確か魔物の邪魂が凝り固まった、霊魂集合体だったな。 魔術では火が多少、光がそれなりに効いて、天は下級でも一撃で葬る事が出来る。 物理的には基本的に効かないが、銀でできた武器は有効だ。 他の金属でも聖水をかければ切る事ができる。」 ミア「…」 ソティー「…」 レイヤン「どうした?」 邪魂? 霊魂集合体? ソティー「はあぁぁあぁぁ…」 最悪です…
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