16401人が本棚に入れています
本棚に追加
ミア…side
ユリト「ぶあっはははは!」
ソティー「そこまで笑う事ないじゃん!」
翌日ナバルツを出発してほどなく、ソティーが今回の課題についてユリトに話した。
勿論幽霊が苦手な事も…
ユリト「あはっあはっ…
はっ、はぁ…
ごめんごめん。」
やっと落ち着いたのか、涙目のソティーをなでる。
ソティー「それにどうやって捕まえよう…
霊魂の捕獲なんて聞いたこともない。」
霊魂の捕獲はほとんど知られていない。
私たち竜族では、霊魂を分解して傷の回復促進剤として使っていたがな。
竜族は回復魔術はあまり発展していないんだ。
ユリト「結界で囲んで圧縮するんだよ。結構高難易度だけど。」
基本どの属性でも出来るが、それが出来るのは竜族だからだ。
ミア「学園もだいぶえげつない事するな。」
竜族でさえ時折、結界の圧縮は失敗するのだ。
ユリトは簡単に高難易度というが、人間にとってどれだけ難しくなるかお分かりだろう。
「ソティー副隊長。
頑張って下さい。」
ソティー「うぅ…はい…」
がっくりと肩を落とす副隊長を慰める隊員。
悲しい絵だな。
ユリト「行く途中に生息地があるから、寄っていくか。」
ソティー「やめてぇー!
私のは後でいいからぁ~!」ユリト鬼畜だな。
くくくっと笑いながら、ユリトを叩こうとするソティーの頭を抑える。
ユリト「問題の先送りかぁ~。
いかんなぁー。」
ソティー「うぐぐ…」
ソティーは目尻に涙を溜めて、下唇を噛んでいる。
明らかにユリトはからかっているが、ソティーにとっては一大事。
しかし課題は次期の成績に大いに反映されるらしく、こなさない訳には行かないらしい。
ユリト「このペースなら明日の夕方には、生息地に一番近づくな。」
ユリトは懐からバサリと地図を出すと、地図上で距離をはかる。
私はいまだに地図上から到着時間や、距離を割り出す事ができない。
ユリト「俺も一緒に行くから大丈夫だよ。」
ソティー「うぅ…
置いて行かないでよ?」
ユリト「約束する。」
ユリトって本当に面倒見がいいよな。
よく言う苦労人だ。
カンッ
ん?
最初のコメントを投稿しよう!