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ウェル「ユリトは黙ってると怖い。」
隊員たちが動き出して俺が一息ついた時に、隣に整列していたウェルが突然喋り出す。
ユリト「んあ?そーか?
出来るだけ自然体を保ってるんだけど。」
分かってると思うけど、殺気なんか飛ばしてないからね?
ソティー「話しかけ難いよね。」
レイヤン「指揮者たるものの証だ。」
ミア「証というよりは、威厳じゃないのか?」
言いたい放題だな。
それよりも早くテント片付けないと…
ユリト「お前ら早く飯食え。」
ソティー「はーい。」
そう言い俺達は自分のテント(実際は俺のだけど…)に向かう。
ソティーは昨日の事忘れてるみたいだな。
無理やり連れて行くのも一興だな。
多分人攫いみたいになるけど…
ウェル「どうした?」
ユリト「いや何でもない。」
ウェルにでも気付かれたらアウトだからな。
そうして日が完全に地平線から上がった所で俺達は出発した。
ユリト「大変だな。」
「そーなんですよ。」
いま話しているのは、一週間前に初子が出来た弓兵隊員だ。
今は昼食を終えて出発。
暫くたつと何故か話題が、我が子についてになっている。
「でもそこがまた可愛いんですよ♪」
親バカ?
…ん?
人の事言えんかった。
「なんでお前はもてんだよ…」
俺同期なのにとぶつぶつ言う他の弓兵隊員。
レイヤン「ひょっとするとお前の事を想ってる奴がいるかもしれんぞ?」
「えっ!!マジっすか!!」
「『かも』だってば。」
がっくりと肩を落とす隊員。
まぁ。いずれは『守りたい人』は見つかるって。
時間をかけてじっくり探せ。
まだ二十歳中盤だろ?
レイヤン「そういえばユリト。
ソティーの課題はいいのか?」
そろそろ近くだがとレイヤンは後に付け足す。
そうだねぇ。そろ行きますか。
ユリト「んじゃレイヤン指揮任せたよ。」
俺は窓から馬車の上に上がり、夜中には帰るよ~と窓から顔を出すレイヤンに言い、馬車の上を飛んで後続の馬車に乗る。
ユリト「ソティーお迎えにあがりましたよ~。」
うっ!って聞こえたのは気のせい気のせい♪
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