長期休暇ですよ~!

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ミア「なるほどな。」 ミアはすっかり理解してくれたみたいだな。 クリク「ゆりとのつばさ。 ぼくといっしょ!」 パタパタと俺の周りを飛び回るクリク。 まぁ元は一緒だからな。 さっきまで寝ていたから、今は元気だな。 ユリト「行くか。」 ソティー「キャ!ちょっ!ユリト!」 俺はソティーをお姫様抱っこをする。 こうじゃないと運べないからな。 ソティーは顔を真っ赤にしてバタバタ暴れる。 ちょっ!なんで!? ユリト「暴れんなよ!」 ソティー「だってだって… ユリト…肌が…」 あっ… しゃーないじゃん。 ユリト「クリクどうする? 引っ付く?自分で飛んでく?」 びたぁー。 喋れるようになっても、クリクは甘えん坊だなぁ。 ユリト「はいはい。 レイヤン帰りの指揮任せたよ。」 レイヤン「ああ。任せておけ。」 さてと… まずはツンホォン城か? ソティーもいるから、あんまり早くは飛べないな。 ユリト「んじゃ行ってきまーす。」 翼を広げると、片翼の長さは2mになる。 俺の翼は太陽に照らされ、黒光りをしている。 ミア「昔のグロークの翼にそっくりだ。」 ウェル「もしかして前の黒炎もこういう理由なのか?」 前の黒炎? あぁあれか。 ユリト「そうだな。 でも人間の体で吐くのは無理が… ってレイヤン何してんだよ。」 何故かレイヤンは俺の翼をぺたぺた触ったり、叩いてみたりしている。 レイヤン「えっ?いや。 なんだか金属でもないし、他の竜の鱗とも違うから。」 まぁそりゃそうだけど。 グロークは進化過程の竜で、太古竜の丁度日本の蛇のような龍から、欧米などの胴が大きい竜やシニルのようなワイバーン型の竜、ミアのような四つ足で翼のある竜に別れる。 太古竜は翼が無くとも飛べたし、天候も自在に操る力もあったから、どれだけ力を持っていたかがわかる。 とりあえず… ユリト「レイヤン離れろ。 飛べん。」 レイヤン「ああ悪い。」 俺が翼を軽く動かすとふわりと浮き始める。 「たっ隊長! なんすかそれ!」 後続の馬車を引いていた隊員が、やっと俺の翼に気付く。 遅っ! ユリト「ミアあたりから後で聞かせて貰え。 多分先に帰ってるかもしれないけどよろしく。」 ミア「ユリト。 事実だけを見ろよ?」 ユリト「りょーかい。」 元とは言え、仲間内だからミアも気になるんだろう。 俺は続けて翼を動かして、徐々に高度を上げていく。
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