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「ほほぉ~。
詳しく言うとどんな調査をするのですか?」
俺は村長に自分が来た理由を簡単に話すと、村長はギラリとした目で調査内容を聞いてきた。
ユリト「まずクフィルリュウの縄張りを調べます。
その上で無いとは思いますが、我々人間がその縄張りを犯していないか。
その他に心当たりが無い場合。
クフィルリュウは知能が高く人語を理解します。
ですから直接聞いて見ようと思います。」
課題だけどこういうのも大切だ。
人間と他の生命は持ちつ持たれつなのだから。
ユリト「しかし近年原因不明の動物の凶暴化はご存知ですね?
もしクフィルリュウが凶暴化していた場合は、やむを得ず討伐する可能性が出てしまいます。
そこはご理解下さい。」
俺は最後の言葉に合わせて軽く頭を下げる。
「致し方ないかぁ~…
分かりましたぁ。
あなたの調査を認めます~。」
あなたの心意気しっかり伝わりましたよと村長は俺の手を両手で握る。
その手はゴツゴツしていて、働いた手だというのがわかる。
ユリト「最善を尽くします。」
調査中は村長の屋敷に泊まらせて貰えるようになった。
そして今はクフィルリュウの縄張りを確認している最中だ。
クフィルリュウは縄張りの境界にある木や岩などに爪で傷をつける。
それを探すのだ。
クリク「ゆりと。
くふぃるりゅうっておっきいの?」
ユリト「ん~。大体3m…
って言っても分からないか。」
クフィルリュウは二足一対手翼型の竜。
ワイバーンみたいな形だ。
ちなみにミアは四足一対骨翼型。
クリクは…
分からん。
ユリト「とにかく俺より大きいのは確かだ。」
にしてもかなり大きい群れらしく、広範囲に渡って傷が付けられている。
クリク「そんなにおおきいの?」
ユリト「おう。大きいぞ。」
にしてもこの森は賑やかだなぁ。
まぁ。これだけ肥沃な土地なら動物が多くて当然か。
クリク「くふぃるりゅうってはいいろ?」
ユリト「おっ。よくわかったな。」
どれもこれも古い傷だなぁ。
クフィルリュウは一週間のうちに2、3回は新しく印をつける。
でもどれも一週間以上前の傷ばかりだ。
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