長期休暇ですよ~!

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「ですが最大戦力である貴方とは戦いたくありません。 ですから手を引いて頂けませんか?」 そう後ろの人間は続けて言う。 戦いたくない? クフィルリュウで俺を襲っておいて良く言うよ。 ユリト「どういう事だ?」 「私はリークン王国の者です。 賢明な貴方ならこれだけで分かるでしょう?」 リークン… なるほどな。 リークン王国はツンホォン帝国の対戦国で、食糧生産能力を削ぐように命令されたんだろう。 ユリト「あぁ理解した… だが断る。」 事情はしっかり把握したが、なんの罪もないクフィルリュウを利用するなんて許せん。 俺は後ろの人間と向かい合う。 ユリト「…」 「…」 えっ? ユリト「お前、男?女?」 あまりに綺麗だし、髪長いし、さらさらだし、つか黒髪に黒眼か。 「男です!」 ユリト「あぁそう。 とにかくどんな理由でもお前は許さん。」 俺は巨剣を展開して、狙いを男に定め構える。 「わわわわ!待って下さい! 僕は貴方とは戦いません!」 ユリト「じゃあさっきの攻撃は挨拶か?」 全く腹決めろって。 懺悔は閻魔の前でな! こいつはなかなか強いからそこそこ本気出すか。 俺は巨剣でやつの胴を狙う。 「くっ!」 ガァン! おお!防いだ! 俺の8%についてこれるとは凄いな! 「うっ!つぅ! 僕は愛しい人を守る為にこの戦争は勝たなくてはならないんです! それに何故私たちが、この世界に呼ばれたか忘れたんですか!?」 痺れる手で何とか剣を握りしめ叫ぶ。 何故この世界に呼ばれたか? ユリト「どういう事だ?」 こいつはこの世界に呼ばれた理由を知っているのか? 「? ロウさんに会って無いんですか?」 ロウさん? 誰? 「分かりました。 私が説」ブシュッ! はっ? 突如として男の首が飛ぶ。 首を無くした体は力無く崩れ、地面におびただしい鮮血を広げる。 ユリト「何が…」 何故? どうして? ユリト「なんで殺した! アルデ!」 俺は首を飛ばした張本人であろう奴の名を呼ぶ。
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