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ユリト「…」
シニル「すぴー」
何故だろう…
苦しいのは気のせい?
外は明るくなり始め、外には既に人の気配がある。
ユリト「シ…ニ―ゥクる…!」
死なないって事はこうやってずっと苦しみを味わう事になるんだな…
気が遠くなって来るのは気のせいですか?
既に体に酸素が残っておらず、指を動かす事さえままならない。
あぁ~だめだ~。
シニル「ん…」
おきてぇ~
しにるぅ~
くるしいよぉ~
シニル「すぴー」
寝るなぁ~!!
えっ?
どういう状況か分からない?
朝起きたらシニルに首を絞められてる。
本人は悪気は無いんだろうけど、完全に絞まってる。
なに?
魔術があるだろ?
そっか。その手があった。
俺は空中にフライパンとお玉を出して互いをぶつける。
恐らくネタが分かる人は分かるだろう。
最初タライにしようと思ったが、二次災害が発生する可能性があったため使わなかった。
シニル「ん…
ふぁ~」
ユリト「ぶはぁー!
はぁはぁ…
天国が見えた…」
シニルの拘束が緩くなったのを見て、動かぬ体を無理やり横に転がりうつ伏せで荒く息をする。
シニル「ユリト様どうしました?
悪い夢でも見ましたか?」
そう言ってシニルは優しく俺の背中をさする。
あぁ見たね。
シニルに全く悪気がない以上は攻めらんない。
ユリト「とにかく起きる…」
俺は体に酸素が充填されたのを確認すると、ベットから降りる。
まだくらくらするな…
シニル「ユリト様大丈夫ですか?」
ふらりとした俺を支えるシニル。
ユリト「大丈夫。ありがとう。」
多分一晩中首を絞められてたのかねぇ。
確かに昨日は息苦しかったしね。
なんで気がつかなかったんだろうって、我ながら思うよ。うん。
馬鹿だね。
シニルに戻ってもらい、俺は手早く着替えると下に降りる。
「あらぁ~早いねぇ。」
下に降りると村長夫人が朝食を作っていた。
「朝ご飯まだ出来ていないんですぅ。
そこにかけてお待ち下さぃ。」
ユリト「はい。ありがとうございます。」
まぁ。俺がでしゃばって手伝う必要もないだろう。
しばらくするとほかほかのご飯と味噌汁、綺麗に盛り付けされたおかず達が出てきた。
やはりこの地域一帯は、古い日本文化に似た文化らしい。
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